研究課題/領域番号 |
17K01647
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
畑山 知子 南山大学, 人文学部, 准教授 (60432887)
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研究分担者 |
田中 深雪 健康科学大学, 看護学部, 助教 (30784582)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護学生 / ボディワーク / ふれる |
研究実績の概要 |
本研究は、看護学生を対象としたボディワークプログラムの構築とその効果検証を目的としている。ボディワークプログラムは、体験学習理論をベースとして、自分のからだを手がかりとした自他への気づき、感受性の醸成、対人関係における言語的・非言語的コミュニケーションの理解、自己理解と他者理解、関係理解などを促す教育プログラムである。特に、看護学生を対象とする実践の中で課題であった、看護師に必要なかかわりである「ふれる」ことをテーマとして、看護学生の「ふれる・ふれられる」ことへの抵抗感を減じ、対象を人として尊重した「ふれる」ことを学ぶための教育プログラムの開発を実践的に行うことを目的としている。「ふれる・ふれられる」ことへの苦手意識や抵抗感に人間関係の課題と関連が示唆されたことから、1年次の看護学生を対象とするボディワークプログラム(1回2コマ180分、計8回の授業として実施)として、前半に、自己開示や関係理解を促す実習、体験学習の循環過程(体験からの学び方)の講義を実施し、後半にふれる機会の多い実習に取り組む構成とした。また、実習などの分かちあいの際に毎回新しいペアを組み、握手をして手があたたかい方からシェアを始めるというシンプルなワークを実施した。初期にはすぐに手を離すケースが多く、指先を当てるのみで握手をしない学生も観察されたが、後半にはしっかりした握手をする割合が増えた。学生の振返りから、握手を通して予測と実際にふれた手の温度や感触の違いを継続的に体験する中で、実際にふれることの意味理解や相手への関心を促す可能性が考えられた。今後、プログラムを通しての学生の学びや苦手意識のあった学生の変化について検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は動画データを収集し、新たな分析を試みる中で分析作業にやや遅れが生じているため、分担者と協力して分析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度も引き続き、プログラムの実施に伴う学生の変化についてデータを収集し検討を続ける。また、プログラム受講後の効果について、その後の実習等への影響を検討するための追跡調査の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、分析ソフトならびに分析用のパソコンを購入する予定であったが、OSのアップデートを行う事でパソコンの購入が不要となったため、予定使用額に達しなかった。今年度は、追跡調査を行う予定であり、その費用に充てる予定である。
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