研究課題/領域番号 |
17K01652
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
竹田 正樹 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (00278459)
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研究分担者 |
廣安 知之 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (20298144)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ウェルネスダーツ / fNIRS / モーションアーチファクト |
研究実績の概要 |
本研究はウェルネスダーツ時の脳活動状態をfNIRSで計測し、把握することを目的としている。しかし計測データは投擲動作によるモーションアーチファクト(MA)を多く含むため、真の脳活動を計測できず、MAの除去が必須である。投擲動作により含まれるMA成分の除去に有効な手法は不明である。そのため、本研究では投擲動作により含まれるMA成分の除去に適した手法の検討を行った。具体的には、ウェルネスダーツの投擲動作の実行および複数の手法によるMAの除去を行い、結果の比較を行った。12名の健康な成人が参加し、LABNIRS(島津製、38CH、37Hz)を用いて計測した。各被験者は、20秒の間隔で3回投擲を行うセットを50秒のレスト間隔で、3回繰り返し、すべての行動開始タイミングは音声で指示された。得られた脳血流データの処理はMATLAB(Mathworks MA USA)をベースとしたHomer2のNIRS処理パッケージ関数を用いた。比較したMA除去手法はtargeted principle component analysis(tPCA)、principle component analysis(PCA)、movement artifact reduction algorithm(MARA)、kurotsis wavelet(kWavelet)および、Correlation-based signal improvemnnt(CBSI)の5手法である。各処理結果を比較した結果、tPCAがフィルタ処理に有効性が高かった。tPCAを適用することでhmrMotionArtifactによりノイズと検出されるデータ数が減少したことより、これは示された。またtPCAはノイズ成分のみにフィルタを適用するため、投擲動作時のみに処理を適用でき、神経活動由来の脳活動をカットする可能性が低いと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、ウェルネスダーツ時の脳活動状態を測定できることを期待していたが、測定そのものは可能であったものの、研究実績の概要に記載したように、モーションアーチファクト(MA)がデータに載っていることがわかった。そのため、現在はMA除去方法を探っている。この作業自体がかなり難解なため、研究の進捗状態としてはやや遅れていると言わざるを得ない。しかし、MA除去方法が徐々に見つかってきているので、ウェルネスダーツ投擲中の脳活動計測に移りたい。
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今後の研究の推進方策 |
MA除去方法として5種類の方法を検討したが、その中で、targeted principle component analysis(tPCA)という方法が我々が検討した中では最も有効であるように思われた。次のステップとして、MAが本当にMAなのかどうかについても検討する必要があるので、加速度センサーと同期することで、MAと加速度センサーの情報(タイミング)が一致しているかどうかを検討する段階に入っている。両者が一致していなければ、MAの疑いは軽減できる。現在検討中である。 これらを確認した後、ウェルネスダーツ中の脳血流計測を行う予定である。
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