研究課題/領域番号 |
17K01654
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
石田 智巳 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90314715)
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研究分担者 |
加登本 仁 安田女子大学, 教育学部, 准教授 (40634986)
制野 俊弘 和光大学, 現代人間学部, 准教授 (70795153)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ナラティヴの変容 / 活動システムモデル / 矛盾 |
研究実績の概要 |
本研究は,体育授業研究におけるナラティヴ・アプローチの可能性を探るものである。とりわけ,現在は実際の教師と子どものナラティヴの変化を追いかけることを課題としてきた。ここでは,体育実践家の授業を参与観察し,子どもの感想文の分析,実践検討会への参加を通して,教師と子どものナラティヴの変化を分析して意味づけることや,スポーツの学習は,能力差,好悪の差などから子どもに否定的なナラティヴが出されることがある。その否定的なナラティヴを変化させるためには,教師がどのような仕掛けをして,何をどうくぐり抜けさせたのか,それらを収集し分類することを目的とした。 昨年度は,実践記録を元にした研究会への参加や授業実践への参加と,その記録を綴った体育(保健体育)の教師へのインタビューを行う予定でいた。しかしながら,新型コロナウィルスの影響で,研究会の多くがオンライン開催となった。そのため,インタビューを行うまでには至らなかった。そのため,一昨年度に実施したある保健体育教師のインタビューを文字起こしして,分析を行った。そして,以下の点が明らかになった。その教師は,新任から4年目で学校を転勤し,その学校の校長と出会うことでそれまで持っていた価値観が揺らぐことになった。語りではその校長先生とはあわないこと,校長からされた嫌な思い出が語られたが,インタビューを繰り返すことでその校長への感謝が語られることになった。転機の語りの詳細はここには記述しにくいのだが,これを論文にまとめる予定でいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は研究期間を延長したものの,インタビューや対面での研究会ができなかったなど滞ることはあった。しかしながら,新型コロナウイルスの影響は予測できないものの,さらに1年延長することで遅れは十分に取り戻せると思われるため,(2)おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度は,フィールドワークに出ることは難しく,オンラインでの研究会に出たが,当初思ったようには進まなかった。現在は,新型コロナウイルスの影響はあるものの,研究会や学会等も対面での実施が予定されている。そのため,インタビューも行いやすいと考えている。また,これまでの研究の成果をまとめることが目的となるため,順調に進展すると思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で,フィールドワーク,授業見学,インタビュー,研究会などの移動にかかるお金を使うことができずにいた。そのため,2022年度に主として出張旅費として使用する予定である。
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