本研究は,100mおよび300m走において、準高地(1,000m)と低地との違いを明らかにすることで,スプリントアシステッドトレーニング環境としての準高地の活用可能性を探ることを目的とした。その結果,いずれの距離も環境間でタイムに有意な差は認められなかったが,加速局面の速度変化や疾走後の主観に違いが認められた。さらに,300m走において,血中乳酸濃度に対する標高の影響に個人差が認められ,最大下疾走では,準高地の方が血中乳酸濃度は低い傾向にあった。そのため,標高による速度変化や乳酸系貢献度の違いを考慮すれば,準高地はスプリント走トレーニング環境としてより効果的に活用できる可能性が示唆された。
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