本研究は、スポーツ動作の中の移動運動における体幹の役割について、モーションキャプチャとフォースプレートを用い、逆ダイナミクスによる実験的解析を行った.対象動作は、スプリントスタート動作、中間疾走のスピードを5段階に変えた動作、方向転換走の動作について、骨盤と股関節の3次元トルクと機械的仕事について解析した.スタートでは、腰仙関節伸展仕事が、重要な力学的エネルギー生成源であった.スプリント走中の腰仙関節の軸回転トルクは、特に高いスピートで大きく貢献していた.方向転換走では、腰仙軸回転トルクが主に骨盤を回転させていた.以上より、スポーツの移動運動における骨盤の役割が明らかとなった.
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