研究課題/領域番号 |
17K01668
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
芳田 哲也 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (00191601)
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研究分担者 |
寄本 明 京都女子大学, 家政学部, 教授 (30132278)
新矢 博美 京都女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70201564)
久米 雅 京都文教短期大学, 食物栄養学科, 講師 (70551993)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 運動パフォーマンス / 病的症状 / 脱水 / 食欲不振 |
研究実績の概要 |
本研究は高温環境に対処できるスポーツ競技者の育成を最終目標として,今年度はスポーツ競技者の夏季における運動パフォーマンスの低下や病的症状の発生に関係する要因をアンケートから明らかにすることを目的とした.全国の男子大学生競技者を対象に、夏季スポーツ活動時の体力 (筋力・持久力・瞬発力・判断力) 低下の有無と生活習慣(睡眠時間減少・食事摂取量減少・練習日数・練習時間・休憩回数・飲水回数)、体調(食欲不振・睡眠不足・病気・下痢・脱水感・疲労・ストレス)、練習環境(屋外競技・長時間の練習・休憩が少ない・飲水不足・高温・多湿・日射・風が弱い・衣服に対する不快感)について、アンケートにより任意に回答を求めた。体力を従属変数、生活習慣・体調・練習環境を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った結果、屋外競技や睡眠時間の減少、食事摂取量減少、食欲不振、睡眠不足、下痢、疲労蓄積、休憩が少ない、高温、日射の強さが主観的な体力低下と関係した。また,病的症状の発生リスクを上昇させる要因として脱水が全ての病的症状発生に関連していた.さらに「下痢」はめまい,吐き気,頭痛,倦怠,「精神的ストレス」はめまい,吐き気,頭痛,倦怠感,「高温」はめまい,吐き気,頭痛,倦怠,「休憩回数が少ない」は吐き気,頭痛,「水分摂取不足」はめまい,唇のしびれ,「食事摂取量減少」はめまい,吐き気に関係していた.したがって、男子大学生競技者の夏季スポーツ活動中に生じる体力低下や病的症状の発生を防ぐためには、食事摂取量の維持による脱水の回避と過度の練習によるストレスを軽減させる必要性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究計画では、スポーツ競技者の夏季における運動パフォーマンスの低下要因をアンケートから明らかにすることを目的とした。その結果、男子大学生競技者においては屋外競技や睡眠時間の減少、食事摂取量減少などが体力低下に関連することが明らかにできたので、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は主に男子大学生競技者を対象として調査・解析を実施したが、今後は女子大学生競技者や高校生競技者を対象者として、運動パフォーマンスの低下や病的症状の発生に関係する要因に性差や年齢差(高校生と大学生)が見られるか?を解析する。
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