本研究では、1914年以前のイギリスにおける女性のホッケーのゲーム普及過程について、特にイングランドに焦点を当て検討した。1895年、女性カレッジや地域ホッケークラブの活動の活発化などを背景として、女性独自の統括組織が設立された。加盟クラブ・学校数は、1900年代末にはピークに達したが、1910年代から非加盟クラブの活動が活発化すると減少傾向に転じた。統括組織加盟クラブに留まらない、女性のホッケーの多様な普及は、女性のゲーム独自の技術、戦術論の深化と、一部の有閑な女性たちのゲームから、広い階層の女性たちから人気を集める理想的な冬季のゲームへというイメージの更新を伴っていた。
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