研究課題/領域番号 |
17K01671
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
小田 俊明 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10435638)
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研究分担者 |
曽我部 晋哉 甲南大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90388760)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 変形解析 / 筋パワー / 中間広筋 / 腱膜 |
研究実績の概要 |
本研究では,加齢や疾患における身体活動量低下に関連するキーマッスルであり,また,多くのスポーツ活動で重要な役割を果たす筋である膝伸展筋群を対象にDynamic MRIを用いた変形解析を行うものである.これまでこれらの共働筋の収縮動態には明らかでない部分も多く,特に,深層の中間広筋は貢献度の高さが想定されているものの知見が少なかった. そのため,本研究では,研究手法の確立とその応用を目的としている.本年度は,まず,実験のためのMRIのシークエンス準備と,周辺機器等制御システムの準備ならびに本研究に合わせた設定の最適化を実施した.特に,筋力計とそれによる動的な筋力の測定システムに関しての調整が必要であった. カリフォルニア大学にて実験と機器の調整を実施し,実験後,解析プログラムの作成と調整を実施した.本件度は一般成人での研究をまず行い,10名弱の成人被験者から収縮中の筋肉と腱組織の変形データを取得した.収縮モードは等尺性収縮と伸張性収縮とした.実験の結果,深層部の中間広筋の力線方向への変位が他筋に比べて統計的に優位に大きく,大腿四頭筋群のパワー発揮における貢献度の高さが示唆された.また,筋内の中間腱膜の周辺の変位は筋が変化しても同程度であり,中間腱膜を介した周辺筋群の共同的な働き合いが推察された.得られた結果の一部は,国際MR医学会にて発表し,筋骨格分野におけるポスター発表の上位5名のファイナリストに選出された..
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に研究は進んでいる.予算的に国内に実験システムを構築するのは難しくなったが,国際共同研究を通じた実験を行うことが可能となった.それ以外のプログラムやシステムの作成と調整についても工学者の協力を得ながら進めている.
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今後の研究の推進方策 |
一般成人での測定を一通り終えたため,今年度以降は,アライメント異常,ならびに前十字靭帯損傷経験者など膝の疾患による収縮動態の変化についての検討を行う.また,昨年度計測したデータの解析を進め,収縮モードの違いによる観点などのデータ整理を行う.確立した手法を用いて,研究計画通りの怪我の影響を影響すると共に,競技選手の筋腱特性について実験を実施することも考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画,特に実験場所の変更により,準備する機材と準備費用に変更が生じたため
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