研究課題/領域番号 |
17K01673
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
関矢 寛史 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (40281159)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | プレシャー / マインドセット / プロスペクト理論 / 損失回避性 |
研究実績の概要 |
進化論的マインドセットの教示が、プレッシャー下での運動選択の意思決定に及ぼす影響を調べるために2つの実験を行った。実験1では実験参加者20名に3つの的を狙った正確投課題を63試行練習させた後、マインドセット教示を与えずプレッシャー無しと有りの両条件で運動選択及び遂行を3試行行わせた。実験2では実験参加者20名に同様の課題をマインドセット教示を受けた条件で行わせた。マインドセット教示の内容は、プレッシャー下で生じる生理反応が運動能力の向上に繋がることを進化論に基づき説明するものであった。3つの的には難易度の低い順に成功と失敗に応じて±200点、±600点、±1000点を与えた。 実験1ではプレッシャー条件で心拍数と状態不安が有意に増加したが、実験2では心拍数のみが有意に増加し、マインドセット教示が主観的な不安の増加を抑制する効果を持つことが明らかとなった。また実験1ではプレッシャー条件で±200点の的に対する主観的価値の増加と、失点を主観的により重く受け止める損失回避性が見られたが、実験2ではそれらは見られなかった。つまり、マインドセット教示がプレッシャー条件で成功や失敗の価値を増加させることを抑制する効果を持つことが明らかとなった。 さらに進化論的マインドセット教示が、プレッシャー下での運動制御方略に及ぼす影響を調べるために実験3を行った。25名の参加者に急速照準課題を行わせ、フィードフォワード制御とフィードバック制御にプレッシャーが及ぼす影響ならびにそれらに進化論的マインドセットの教示が及ぼす影響を検討中であるが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、実験を途中で中止することとなった。2020年度まで研究期間の延長を行い、実験参加者数を増やして分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症拡大の影響により、外出自粛と3密回避が求められ、実験参加者と実験者ならびにプレッシャー負荷の操作に必要な実験協力者が狭い実験室に入り実験を行うことが困難となった。そのため実験3の継続を延期している状況である。大学構内に学生が入ることが許可され、さらに実験が許可される状況に至ることを待ち、実験を再開する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
大学構内への立ち入り禁止が解かれ、実験が再開できる状況になり次第、3密を避けることに細心の注意を払い、実験を再開する予定である。実験が再開できるまでは、実験3で現時点までに収集したデータの分析を進める予定である。また、実験1と実験2についても実験参加者をさらに増やして再分析を行う予定である。これらの実験が再開され、終了し次第、分析と論文執筆に移行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大の影響により学生の外出自粛、実験室等での3密回避の要請に基づき、実験遂行を延期したため、次年度使用額が発生した。実験参加者、実験者、実験協力者への謝金ならびにデータ分析への謝金等で残額を使用する計画である。
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