本研究は植民地朝鮮における1940年代の総力戦体制期に着目し、人的資源として朝鮮人を動員していくときに、どのような身体管理政策がなされたのか、その実態を明らかにすることを目的とした。 1940年代、植民地朝鮮における都市部では国民総力朝鮮連盟の奨励した身体活動、とりわけ厚生運動や健民運動が実施されており、農村部においては社会事業政策として健全娯楽が振興されている。これらの実態を明らかにしていくことで統治主体者が身体管理政策によって意図した動員との関係を読み解き、さらに1945年に植民地朝鮮において施行された「朝鮮体力令」について考察を試みた。
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