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2019 年度 実績報告書

自己身体認識における運動システムの寄与の解明:ラバーハンド錯覚によるアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 17K01682
研究機関杏林大学

研究代表者

渋谷 賢  杏林大学, 医学部, 講師 (30406996)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード身体所有感 / 運動観察 / 脳波
研究実績の概要

一昨年度(2017年度),昨年度(2018年度),脳波の感覚運動野領域で計測されるμ律動(8-13Hz)の抑制(脱同期)を指標として,身体所有感を生じた偽の手の動きの観察中(手の開閉運動),感覚運動システムが活性すること(Shibuya et al.2018; Neuropsychologia),この現象が同一帯域の後頭葉α律動の抑制とは独立していることを示してきた(Shibuya et al. 2019; Front Hum Neuroscience).

他方,ミラーシステム関連の脳波研究では,μ律動に加えてβ律動(15-25Hz)の抑制が運動観察中に生じることが報告されている.そこで最終年度では,提示する偽の手(ラバーハンド)の運動タイプを回転運動に変えて,その影響を調べた.実験者は被験者の実際の左手とターンテーブルに置かれたラバーハンド(偽の左手)を同時に撫でた.被験者はラバーハンドのビデオ映像をモニターを介して観察した.映像遅延により,同期条件と非同期条件(約1秒)が設定された.視触覚刺激中,ラバーハンドは時々30度時計回り(反時計回り)に回転した.この運動観察中に全頭から記録された脳波データに対して,独立成分(IC)分析と独立成分クラスタリング解析を行った.右感覚運動クラスタで観察されたμ抑制は,従来と同じく,同期条件(錯覚あり)の方が非同期条件(錯覚なし)より強かった.他方,β抑制は逆に非同期条件の方が同期条件よりも大きかった.本結果は,身体化した偽の手の運動観察は,感覚運動野のμ抑制とβ抑制に異なる影響を及ぼす可能性示唆する.なお,本成果は,国際誌に投稿予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Sensorimotor and Posterior Brain Activations During the Observation of Illusory Embodied Fake Hand Movement2019

    • 著者名/発表者名
      Shibuya Satoshi、Unenaka Satoshi、Zama Takuro、Shimada Sotaro、Ohki Yukari
    • 雑誌名

      Frontiers in Human Neuroscience

      巻: 13 ページ: 367

    • DOI

      10.3389/fnhum.2019.00367

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 身体化した偽の手の運動観察に伴う脳活動の変化:遅延視覚フィードバックの影響.2019

    • 著者名/発表者名
      渋谷賢,畝中智志,座間拓郎,嶋田総太郞,大木紫
    • 学会等名
      日本認知科学会第36回大会
  • [学会発表] 看護技術の修得を促進するバーチャル・リアリティ教材の開発.2019

    • 著者名/発表者名
      渋谷寛美,江藤千里,鈴木真由美,山下明美,横田素美,渋谷賢
    • 学会等名
      第7回日本シミュレーション医療教育学会学術大会
  • [学会発表] ラバーハンド錯覚が身体的注意に及ぼす影響―触覚時間順序判断による検討―2019

    • 著者名/発表者名
      渋谷賢
    • 学会等名
      日本スポーツ心理学会第46回大会

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公開日: 2021-01-27  

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