研究課題
本年度は、運動条件を固定、もしくは自主選択による運動によって潜在的抗酸化能と気分表出との関連性に相違があるか検討し、一部成果発表を行った。運動条件を固定した調査の対象は25名(男性13名、女性12名)、平均年齢22.2歳。運動条件はバスケットボール、バドミントン、卓球、体力テストの4種目をローテーション形式で行い、15分毎、延べ1時間行った。生理的指標として末梢血採取によるd-ROMs、BAPを測定し、気分評価としてPOMSを用いた。統計学的検討は対応のあるt検定ならびに分散分析を行い、有意水準は5%未満とした。結果として生理的指標のうち、運動前後のd-ROMs値は上昇や下降を呈したが、全体としてわずかに上昇していた。一方、BAP値はほとんどの対象者が上昇を認めた(p<0.001)。運動前後の修正比は、有意ではないが0.89から0.94に上昇した。POMS評価は全尺度において有意に改善した(p<0.01)。運動条件を固定した場合、運動したことで修正比が低いなりにも上昇し、主観的気分評価の改善も認められたことから、ある一定の運動が明らかに抗酸化能の上昇や心理的プラス効果をもたらし、ストレス解消の一助になりうるものと考えられた。自主選択により運動した条件については解析中であり次年度報告予定である。また登山、雪洞における生理指標と5-HTTLPR遺伝子多型との関連性についても解析・評価を進め、一部学会発表、論文発表を行った。並行して包括的遺伝子多型解析の実験準備を進めている。
2: おおむね順調に進展している
実験、解析・評価は概ね予定通り進んでいる。
実験時期を前後、並行させて進め、期間中に本軸より振れないように随時対応する。
実験が次年度に跨いだため。次年度では引き続き実験・分析に関わる消耗品費をメインに使用し、学会等での成果発表の旅費・その他としても使用予定である。
すべて 2017 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Japanese Journal of Mountain Medicine
巻: 37(1) ページ: 103-112
http://gyoseki.marianna-u.ac.jp/smuhp/KgApp?kyoinId=ymdogbgkggy