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2018 年度 実施状況報告書

運動における精神的ストレス反応の多面的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K01698
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

谷田部 かなか  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00387028)

研究分担者 熊井 俊夫  聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 教授 (40139671)
藤谷 博人  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50278008)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードスポーツ心理学 / ストレス反応 / 感情 / 情緒
研究実績の概要

本年度は、運動固定と自由選択の違いによって潜在的抗酸化能と心理的(気分)評価に及ぼす影響について成果発表を行った。対象は49名、平均年齢22.4歳、運動条件を種目固定群、および自主選択群に設定し60分間の運動を実施し解析・評価した。生理的指標として末梢血採取によるd-ROMs、BAPを測定し、気分評価にはPOMSを用いた。生理的評価は運動条件の違いに関係なく、BAP、修正比について有意な改善がみられ、気分的評価は、運動条件にかかわらず情緒に関わる尺度で有意に改善がみられた。60分間の運動でも心理的変化が観察され、個人裁量に任せたペースの運動では潜在的抗酸化能がより高まることが示された。
次に、低酸素暴露のストレス条件下において、特性不安の高低4群によって不安感のプロファイル等の検討を行った。対象は344名、平均年齢22.8歳、低酸素環境下における生理学的反応の観察を行い、主観的感覚を定量化し特性不安群別に評価した。方法は低酸素暴露キットを用い、HR,SpO2(%),自覚的運動強度RPEを測定し、数分間のマスク装着による自由呼吸、除去後の回復呼吸を観察した。特性不安群×男女別×1分毎の多変量解析では有意差を認め(p<0.04)、男女による主観的感覚と生理学的反応の相違がみられた。
その他、ダンサーの公演へ向けた気分評価と痛みの自覚的評価について、5-HTTLPRおよびCOMT遺伝子多型の関連性についても成果発表を行った。プロを目指したダンサーらは、実際は公演前に慢性疾患の痛み等があるにも関わらず、主観的な痛みの申告や緊張尺度が、配役決定日までのストレス環境下において強く、これらの遺伝子多型の関連性が有意にみられる結果となった。以上、引き続き実験、解析・評価を進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新規対象群の観察研究を行うための打合せ、試合等シーズンに合わせた介入時期の調整の遅れにより、調査セッティングがやや遅延している。

今後の研究の推進方策

引き続き、多面的な解析が出来るようデータ蓄積を行うとともに包括的研究を進める。また、期間中に本軸が振れないように随時対応し、調整する。

次年度使用額が生じた理由

心拍計等計測機器の購入が遅れたため。
また学会の旅費使用が抑えられた分、実験・分析に関わる費用を中心に使用予定。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Pain Related to External Injury and Disorders Associated with Psychosocial Factors2018

    • 著者名/発表者名
      Kanaka Yatabe, Ryota Muroi, Takanori Kumai, Takashi Kotoani, Toshio Kumai, Hiroto Fujiya
    • 雑誌名

      Biomedical Journal of Scientific & Technical Research (BJSTR)

      巻: 10(2) ページ: 1-20

    • DOI

      10.26717/BJSTR.2018.10.001924

  • [学会発表] Association between the Candidate Gene with Pain and Anxiety and Depression Factors of Ballet Dancers.2019

    • 著者名/発表者名
      Kanaka Yatabe, Ryota Muroi, Takanori Kumai, Takashi Kotani, Fumiko Terawaki, Kimino Minagawa, Toshio Kumai, Hiroto Fujiya.
    • 学会等名
      The 39th Anxiety and Depression Conference (ADAA 2019)
    • 国際学会
  • [学会発表] 登山中の苦しさは、生体反応の何によって影響を受けるのか?―携帯型低酸素トレーニングキットを用いての検討―.2018

    • 著者名/発表者名
      油井直子, 谷田部かなか, 寺脇史子, 武者春樹, 熊井隆智, 小谷貴史, 藤谷博人.
    • 学会等名
      第38回日本登山医学会学術集会
  • [学会発表] 運動条件の違いが潜在的抗酸化能と心理的(気分)評価に及ぼす影響.2018

    • 著者名/発表者名
      谷田部かなか, 室井良太, 熊井隆智, 小谷貴史, 寺脇史子, 油井直子, 室伏由佳, 藤谷博人.
    • 学会等名
      第29回日本臨床スポーツ医学会学術集会
  • [学会発表] 低酸素トレーニングによる自覚的運動強度と生体反応変化-心理的検討.2018

    • 著者名/発表者名
      谷田部かなか、油井直子、寺脇史子、武者春樹、室井良太、熊井隆智、小谷貴史、藤谷博人.
    • 学会等名
      平成30年度日本心理学会大山人間科学研究会第1回例会
  • [備考] 谷田部かなかー聖マリアンナ医科大学 教員情報

    • URL

      http://gyoseki.marianna-u.ac.jp/smuhp/KgApp?kyoinId=ymdogbgkggy

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公開日: 2019-12-27  

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