研究課題
再延長(R3)年度は、一般健常人と競技者対象に、それぞれ同一被験者のストレス条件への異なる不安や感情の経時的変化を評価する予定だったが、引き続きコロナ禍のため実地調査が難しい期間となってしまった。予定していた運動介入(ダンスプログラム)は施行出来なかったが、この延長期間において長年行ってきた研究における包括的解析・評価をし、研究目的に挙げていた自律神経のバランス、5-HTTLPR・COMT遺伝子多型からみた精神的ストレス反応については一定の成果は得られた。ヨガプログラムについては、3ヵ月計6回、各1時間の教室に参加した対象25名(年齢32-82歳)において、教室の前期(開始1~2週後)と後期(開始9~10週後)における生理・心理的評価を比較検討した(p<0.05)。結果、唾液中オキシトシン(OXT)濃度は、後期(ヨガ前後)に有意な上昇した(p<0.02)。副交感神経指標(HFnu)は大きな変化はなかったが、気分調査(POMS2)の総合的気分状態得点は両期ともに有意に低下し情緒が安定した(TMD:p<0.01, p<0.01)。また両期ともにOXT濃度とTMDの相関性がみられ(p<0.01,p<0.05)、本ヨガプログラムによる心理的効果、生理的な効用・効果がある可能性が示唆された。次に、疼痛候補遺伝子とも考えられるCOMTおよび5-HTTLPR遺伝子多型が痛みや不安に何らかの影響を与えている可能性について、2020年秋から延期されていた国際学会においてやっと成果報告をすることが出来た。この最終報告も海外雑誌へ投稿を済ませたところである(現在査読中)。再延長期間においても実地調査は難しい状況が続いてしまったが、研究期間内出来る範囲で解析・評価を行い、海外雑誌の査読・出版にも思いのほか時間を要したものの、長年行ってきた成果報告を終え、ある程度の形となって締めることが出来たと考えている。
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The Open Sports Sciences Journal.
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http://gyoseki.marianna-u.ac.jp/smuhp/KgApp?resId=S000553
https://researchmap.jp/kyatabe
https://www.researchgate.net/profile/Kanaka-Yatabe