研究課題
本研究は,特に大学スポーツ選手を対象として,スポーツ・トレーニングが骨組成に与える影響について,超音波骨密度測定装置を使用して検討を加えることを目的とする.本研究は,スポーツ競技選手の骨組成,すなわち,骨密度だけでなく超音波を使用した骨密度測定装置により, X 線CT 法では実現しなかった骨の構造的「弾性的特性」である「骨室」についても検討を加え,新しい視点からスポーツ活動による重力負荷および筋収縮と骨組成との関係について検討を加えることを目的としている.一般的に骨強度とは,70%の骨密度と30%の骨質により形成されていることから,骨の特性を検討するためには,骨密度とともに骨質についても検討する必要があるため,スポーツ活動による重力および筋収縮による負荷がもたらす骨組成の変化をみるためには,骨強度と骨質の変化を観察し,多角的に競技力向上の方策を模索する必要がある.現時点では,筋肥大を目的とした ウェイト・トレーニングと皮質骨の骨密度に有意な関係がみられ,またパワー向上を目的としたウェイト・トレーニ ングでは,海面骨の骨密度との間に有意な関係があることが示された.他方、骨の弾性的特性とスポーツ動作との関係においては,野球選手のシーズン中のトレーニングの経時的測定において,ボールスピードの向上と,骨密度と弾性定数の減少傾向が見られた.以上のことから,今後は継続して各種スポーツ動作やトレーニング方法が骨組成に与える影響について観察する目的から,トレーニング負荷を等速性筋力測定装置(BIODEX)を用いて再現し,スポーツ競技選手に必要と考えられる外的・内的資質について多角的に検討を加える.
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
BMJ open sport & exercise medicine
巻: 6(1) e000659 ページ: -
10.1136/ bmjsem-2019-000659
BONNE
巻: - ページ: -
10.1016/j.bone.2020.115669