研究課題/領域番号 |
17K01702
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
友草 司 立命館大学, 教育研究・研修センター, 教諭 (10779036)
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研究分担者 |
大友 智 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90243740)
梅垣 明美 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (00389660)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会的スキル / 仲間づくり |
研究実績の概要 |
平成29・30年度は、高知県高吾地区中学校体育連盟と協働して研究を推進した。新学習指導要領の指導内容に基づき、中学校体育授業プログラムに「ヘリソンモデル」要素を組み込んだ体育授業プログラム、及び、中学校体育授業プログラムに「仲間づくりモデル」要素を組み込んだ体育授業プログラムを作成して、対象中学校第一学年において授業実践を行った。体育授業による生徒の変容に関しては、対象生徒に対しての質問紙による調査(単元前・単元後)を行い統計処理を行い変容について分析を行った。また、対象学校の状況については、学校の管理運営責任者である学校長に、生徒の学校における生活態度、生徒に社会的スキルを獲得させるための具体的な取り組み等について、質問紙による調査を実施し、生徒の質問紙調査の結果との関係性を確認した。 【研究の経緯】平成29年8月にヘリソンモデル・仲間づくりモデルの研修を高知県高吾地区中学校体育連盟と協働して実施、2学期から3学期にかけて13校が授業を行った。その結果、1学期に1年生を対象にヘリソンモデルを行うことが効果的ではないかと考え、体つくり運動の単元でダブルダッチの授業を実施することにした。 平成30年4~6月に20校がヘリソンモデル・仲間づくりモデルの体育授業を実践したが、①学習規律の確立、②責任ある行動、③仲間づくりの観点において効果があった。 ヘリソンモデル・仲間づくりモデルの授業では、運動が苦手な生徒でも活躍できる場面が見られたが、これは仲間とのコミュニケーションの取り方、自分が取るべき行動がめあてや資料により具体化されることで、声がけの仕方やチーム内での協力の仕方、自分の行動や振る舞い方が徐々に言動に表れるようになった。そして、協力の仕方が分かったことで、生徒同士の関わり合いが増える事につながった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度実践は、対象学校を3校として成果の検証を行った。平成30年度は、その結果を踏まえて体育授業プログラムの修正と、対象種目を決めて取り組んだ。高知県高吾地区中学校体育連盟との協働により、対象学校数を増やし検証することが出来た。 また、対象学校の校長からの調査も実施することができたので、体育授業の影響が学校教育に及ぼす影響についても検証することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は、対象学校を絞り込み、学習指導要領(保健体育科)に示されている「学びに向かう力、人間性等」と特別の教科道徳との関係を検証する事としている。 その中でも、学習態度に関する事項及び仲間づくりに関する事項に着目して、体育授業に求められている学習内容によって身に付いた社会的スキルと、座学として実践される特別の教科道徳において学習により身に付いた社会的スキルには、どのような関係があるのかを検証したいと考えている。 対象は、高知県土佐郡土佐町立土佐町小中学校(小中一貫校)とし、小学校の体育授業と道徳の関係、中学校の保健体育授業と道徳の関係を研究したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
高知県高吾地区中学校体育連盟と協働したことにより、当初予定した教材・教具等についての科研費からの支出を抑える事となった。これは、各学校を所管する市町村教育委員会が本研究に対するご理解を頂き、教材・教具等についての予算を支出して頂いたものである。 次年度も引き続き研究対象を高知県内の学校とするため、移動旅費の支出がある程度の額が必要であると考えている。また、検証するためのアンケートデータ入力及び処理についての人件費、資料作成についての印刷費等に予算を執行したいと考えている。
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