研究課題
研究1は、中学校体育授業実践における生徒の社会的スキルを身に付けさせるための体育授業プログラムを作成して、授業実践を通してその効果を検証することを目的とした。この目的を達成するため、TPSRモデルに基づき作成された体育授業プログラム(体つくり運動領域単元)とASKSモデルに基づき作成された体育授業プログラム(球技領域単元)を作成し、それぞれのプログラム実践前後で生徒の学習成果を図るための質問紙調査を行い、その変容を確認した。TPSRモデルに関する実践では、社会的スキルに関する調査において、単元前後で男女とも有意に向上がみられ、特に「向社会的スキル」、「攻撃行動の減少」に改善が確認された。体育授業に関する診断的・総括的評価に関する調査において、男女とも全体的に有意に向上がみられ、特に「楽しむ」、「できる」、「学ぶ」は向上が確認された。ASKSモデルに関する実践では、社会的スキルに関する調査において、単元前後で男女とも有意に向上がみられ、特に「向社会的スキル」、「攻撃行動」に改善が確認された。体育授業に関する診断的・総括的評価に関する調査において、男女とも「できる」について有意に向上が確認された。研究2は、小学校1年生から6年生の児童を対象とし、「学び・人間性」を児童に身に付けさせることを目的とした「ゲーム(ネット型ゲーム)」単元、及び「体つくり運動」単元を実施し、その効果をそれぞれの単元の前後に実施した「学び・人間性」に関する質問紙調査によって検討した。単元の前後に実施した、「学び・人間性」に関する質問紙の合計点の平均値の差についてt検定をおこない、結果、「ゲーム(ネット型ゲーム)」単元、及び「体つくり運動」単元において、いずれの学年においても有意差は見られなかった。「学び・人間性」を児童に身に付けさせる方法について、今後さらに検討が必要であることが明らかになった。
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