研究課題/領域番号 |
17K01706
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
東山 明子 大阪商業大学, 公共学部, 教授 (20228711)
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研究分担者 |
石川 美久 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00532839)
齋藤 正俊 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (40619540) [辞退]
保井 智香子 立命館大学, 食マネジメント学部, 准教授 (40632998)
横山 喬之 摂南大学, スポーツ振興センター, 講師 (50585263)
内村 直也 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 准教授 (70529990)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 内田クレペリン法 / 全柔連強化選手 / オリンピック代表選手 / 世界選手権代表選手 |
研究実績の概要 |
全柔連強化選手の中で、世界選手権大会にのみ出場した選手78人(男子42人、女子35人)について、内田クレペリン法のUK曲線をもとに人柄型と精神健康度、作業量段階、曲線傾向について分析した。世界選手権代表選手の人柄類型はほぼ8型と3-1d型で構成されていた。精神健康度は高度と中高度を合わせて83.3%と多く、曲線傾向は上昇傾向であることが示唆され、高い心的エネルギーを持ち、高い精神健康度で大会を迎えるための準備ができていることが代表選手の条件であると考えられた。これらは、日本武道学会第54回大会にて研究発表した。 さらに、全柔連強化選手の中で、世界選手権大会に出場したがオリンピックには出場しなかった選手と、オリンピックに出場した選手について、心理的特徴をUK法から比較検討した。心的エネルギーはオリンピック選手の方が世界選手権選手よりもさらに高かった。またオリンピックでのメダル獲得者には人柄類型群の個性派Ⅳ群が多いが、世界選手権選手ではそれほどの特徴はみられなかった。オリンピック選手の曲線傾向では、メダル獲得者は上昇曲線が多く見られ、平坦曲線や下降曲線ではメダルを逃す選手が多かった。これらのことから指導者やサポートする側は、選手の個性を理解して、選手の精神健康度を高めるように心掛け、上昇曲線を示すような関わりが望まれることが示唆された。この内容は、日本スポーツ心理学会第48回大会にて研究発表した。 さらに、オリンピック代表選手のUK法データの中から、最も精神健康度の高いデータを取り上げて戦績区分別に分析を行った。その結果、特定個性として個性派Ⅳ群と堅実派Ⅱ群による集団であること、高精神健康度であること、特に女子選手のメダル獲得者には個性派Ⅳ群が多いことが示唆された。これは講道館柔道科学研究会紀要18に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの全対象者の分析、世界選手権のみ出場者の分析、オリンピック選手さらに戦績別分析と、大量データの必要な分析はほぼ行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
オリンピック金メダル複数獲得者(連覇者)6名について、個々のUK法曲線の推移とメダル獲得時との関係からその心理的特徴を解明し、連覇条件に迫る試みを行う。 また、全柔連強化選手データを人柄類型別精神健康度別に分類して整理し、柔道選手の人柄特徴について詳細に分析する。 これまで蓄積した研究結果と併せて、研究成果のまとめとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度はこれまでの研究成果のまとめを作成するため、その報告書作成費用として当てる計画である。
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