研究課題/領域番号 |
17K01710
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
立谷 泰久 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 研究員 (10392705)
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研究分担者 |
宇土 昌志 徳山大学, 経済学部, 講師 (10648588)
村上 貴聡 東京理科大学, 理学部, 講師 (30363344)
荒井 弘和 法政大学, 文学部, 准教授 (30419460)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 競技心理検査 / トップアスリート / フィードバック用紙 |
研究実績の概要 |
申請者らが作成したJISS競技心理検査(立谷ほか,2015)のフィードバックシートを作成するために、質問紙調査を実施した。この尺度は「競技専心性に関する内容(下位尺度:目標設定、モチベーション、日常生活の管理)」「試合中の心理的スキルに関する内容(下位尺度:自己コントロール、集中力、イメージ、自信)」「自己理解に関する内容(下位尺度:一貫性、自己把握、客観性)」の3つの尺度に大別されており、計40項目から構成されている。今回の対象者は、国立スポーツ科学センターを利用しているトップアスリートであり、冬の競技種目を中心に200名程度を対象に調査を行った。今回の結果で特徴的だったのは、競技種目(団体/個人種目)、性差、年代の比較において差が見られた。特に、競技種目を個人競技(種目)と団体競技(種目)では、全体的に個人競技(種目)の方が高く、合計得点(p<.01)において有意な差を示した。10因子でみると、イメージ(p<.01)、一貫性(p<.01)、自己分析力(p<.05)、客観性(p<.05)で、個人競技(種目)の方が有意に高かった。このことは、個人競技(種目)の方が、イメージ、一貫性、自己分析力、客観性という要素が重要であるからではないかと推察された。なお、夏の競技種目の選手のデータ(対象者339名)の収集したものを学会発表(九州スポーツ心理学会第31回大会)を行った。 また、フィードバックシートの作成においては、スポーツ心理学の専門家複数名によって検討し、特にアスリートにとってより分かりやすくするための協議を行った。その結果、フィードバック用紙については、さらに精査が必要と判断し、当該年度に予定していた面接調査の活動までには至らなかった。面接調査については次年度に行うことにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者らが作成した質問紙を用いて、トップアスリートのデータを収集し、分析し、学会発表を行った。またそのデータを用いてフィードバック用紙の作成を行った。しかし、フィードバック用紙には、さらに精査が必要と判断し、その後の面接調査までは至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度できなかった面接調査を実施し、フィードバック用紙の完成を行う。特に、競技種目に特化したもの、またパラリンピック選手を対象としたものを作成し、その中でも視覚障害を持ったアスリートへのフィードバックについての基礎的資料を得ることとしている。 学会発表および論文化においても、順次進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度において、計画にあった面接調査等ができず、次年度以降に行うことになったため、繰越があった。次年度は計画通り遂行する予定である。
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