研究課題/領域番号 |
17K01710
|
研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
立谷 泰久 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツメディカルセンター, 先任研究員 (10392705)
|
研究分担者 |
宇土 昌志 宮崎大学, 教育学部, 講師 (10648588)
村上 貴聡 東京理科大学, 理学部第一部教養学科, 教授 (30363344)
荒井 弘和 法政大学, 文学部, 教授 (30419460)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 競技心理検査 / トップアスリート / フィードバック用紙 |
研究実績の概要 |
2018年度は、2016年リオデジャネイロオリンピックに出場した選手と2018年平昌オリンピックに出場した選手のJISS競技心理検査(JISS-Psychological Ability Test for Elite Athletes : J-PATEA)のデータを2つの国際学会で発表した。また昨年度に引き続き、J-PATEAをより多角的に分析し、効果的なフィードバック方法を確立するために、2018年度はアジア競技大会に出場した選手のデータを収集し、学会発表も行った。さらに、効果的なフィードバックシートの作成やその方法に関する議論を定期に進めた。その結果、説明文を精錬し、色合いなども含めた効果的なフィードバック用紙をある程度完成することができた。 また、パラリンピック選手へのフィードバック用紙を作成するために、元パラリンピック(ブラインド)選手にインタビュー調査を実施した。<Q:より良いフィードバックとはどのようなものですか?>と訊くと、「検査結果については紙だけでは分かりにくく、次にどう活かせるかを提示して欲しい」、「メンタルの課題として、自分が意識しているものと意識していないものがあり、それを数字とともに話ができると良い。あとは、心理検査の結果とパフォーマンスの関係などについても説明してもらいたい」などの意見をいただいた。また、<Q:結果の見方、提示の仕方はどうですか?>と訊くと、「世界一を目指しているのだから、平均値は関係ない」、「フィードバック方法については、棒グラフであれば点字プリンターでもできる。あるいは、立体コピー、モコモコペン、糸を貼る、カッターレーダーの内側を切り抜く、製図用のテープも使用できる。あとは、紙の材質や量を変えるなど、いずれもできる可能性がある。フィードバックをメソッドにすることが大事」など、次に活かせるコメントをいただくことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
我々が開発し、本研究活動でも用いているJISS競技心理検査(J-PATEA)の販売化とJ-PATEAに関する論文の論文化の活動を主たるものとして実施したため、計画よりやや遅れが生じた。しかしながら、アジア大会に出場した選手のデータ収集および学会発表もし、新たな知見を得ることができた、さらに元パラリンピック(ブラインド)選手にインタビュー調査をすることができ、ブラインド選手へのフィードバックに関する有益なアドバイス・指摘を得ることができた。2019年度も診断システムの開発ならびに効果の検証を続けていく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度は本研究の完成年度である。これまで収集したトップアスリートのデータ(リオデジャネイロオリンピック、平昌オリンピック、アジア大会)をさらに分析し、心理診断システムの開発につなげていく。また、JISS競技心理検査(J-PATEA)のフィードバックに関することもすすめていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計画通り遂行できない部分があった。その理由としては、分析が十分に進めることができず、インタビュー調査など新たなデータ収集ができなかった。そのため、諸謝金の使用ができなかった。2019年度は、その部分を補っていく予定である。
|