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2018 年度 実施状況報告書

少年団-中学校運動部活動-地方競技団体の連携システム構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K01712
研究機関茨城大学

研究代表者

加藤 敏弘  茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (20185854)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードバスケットボールスクール / コーチングフレームワーク / 運動部活動 / 地域スポーツクラブ
研究実績の概要

平成30年度に実施した調査は、次の6点である。
1)茨城県バスケットボールスクール参加者へのアンケート調査:茨城県バスケットボール協会主催のバスケットボールスクールにおいて、参加者および保護者へのアンケート調査を実施した。中学校における運動部活動の制限の影響で、地域クラブでの活動を指向する声が出ており、調査内容の見直しを行うこととした。2)運動部活動適正化モデル校実践事例集:茨城県教育庁学校教育部保健体育課主催の「運動部活動適正化モデル校美野里中学校スーパーバイザー」として、これまでの研究成果を踏まえた指導実践の援助を行い、その成果を公表した(茨城県教育委員会>学校体育>運動部活動>運動部活動適正化モデル校の実践事例集)。3)コロラド州ならびにニューメキシコ州の育成システムの調査:アメリカ合衆国コロラド州デュランゴにあるFort Lewis Collegeを拠点に地域のスポーツ活動を調査した。また、ニューメキシコ州で開催されたネイティブアメリカン居住地での子どものスポーツ活動支援団体主催のコーチ研修会に参加し、地域コミュニティ作りに果たすスポーツ活動の役割を調査することができた。4)茨城大学社会連携センター主催の「プロスポーツとの連携による茨城・水戸の地域活性化」において、これまでの研究成果をふまえたテーマでシンポジウムを開催し、進行役として議論を深めることができた。シンポジウムの内容を公開する予定である。5)昨年度に引き続き平成24・25年度のバスケットボールスクール参加者への追跡調査を実施するための基本データ収集を行った。急激に変化する運動部活動をとりまく状況を踏まえて、調査内容の見直しを図った。6)日本バスケットボール協会指導者養成部門、茨城県バスケットボール育成部の活動を調査し、急激に変化する地域スポーツへの対応について聞き取りを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

少年団をめぐる状況、中学校運動部活動の在り方が問われる社会状況の変化、地方競技団体における一般社団法人化など、本研究に取り組みはじめたときからこの2年間で著しく変化している。特に、指導者のインテグリティが問われ、働き方改革が進行し、中央競技団体、地方競技団体や都道府県教育委員会に求められている社会的要請が高まる中で、従来のようなボランティアを中心としたスポーツ指導者の限界が見えつつある。
本研究課題を申請した時点と現在の状況があまりにも変化していることから、研究フレームを修正しつつ、調査を実施してきたが、本質に迫る調査には至っていない。
そうした状況の中で、今年度実施したネイティブアメリカン居住区での研修会参加は、あらためて地域のコミュニティづくりにこどもたちのスポーツ活動が欠かせないことを実感させられる出来事であり、スペインをはじめとするこれまでの海外調査を総括し、激変する日本の地域スポーツ活動の在り方を見つめなおす契機となった。来年度の総まとめに向けて、その方向性を定められたことは、当初の予定を上回る収穫であった。
来年度は、これまでの調査や研究成果を取りまとめる。当初の研究課題設定時の仮説とは、大幅に異なる研究成果を発表することになるが、研究課題の現代性を鑑みると、おおむね順調に進展していると判断することができる。

今後の研究の推進方策

昨年度のスペイン現地調査の結果やバスケットボールスクールの指導内容を踏まえて、運動部活動適正化モデル事業に着手し、一定の成果を得ることができたことは、県教育庁学校教育部でも評価され、さらなる事業展開を依頼されている。本研究課題との整合性について担当者の理解も得られていることから、中学校運動部活動を支えている行政との連携をこれまで以上に深めることができる。一昨年度実施した中学校運動部活動顧問教員に対する調査結果を踏まえた上で、あらたな調査を実施する方策である。
過去に実施した茨城県バスケットボールスクール参加者に対する追跡調査を実施する体制が7割ほど整ったので、新たなフレームワークでの調査を実施し、早急に結果をとりまとめる方策である。
プロスポーツチームのユースとしてのクラブチームと少年団の延長としてのクラブチームと従来からある一般のクラブチームが育成年代を取り込みはじめた状況を鑑み、それぞれの実態を把握し、その問題点を明らかにしたうえで、少年団と中学校運動部活動と地方競技団体がどのように連携しながら地域スポーツクラブを支えたらよいのかについて、その指針を提案する予定である。
その指針に沿って、地方競技団体の施策を講じることによる効果や成果については、本研究課題をとりまとめた上で、次期研究課題として検証していきたい。

次年度使用額が生じた理由

茨城県バスケットボールスクール事業については、一般社団法人となった同協会が公益財団法人日本バスケットボール協会からの補助金を得て実施することができるようになったことから、当初予定していたスクール担当者の日当及び旅費を計上しなくても調査を実施することができるようになった。また、昨年度のスペイン調査で育成システムを構築しつつある南米チリの調査を予定していたが、日程的に困難であることが判明し、アメリカ合衆国の地域スポーツ活動の調査に切り替えたことにより、次年度使用額が生じた。
当初の調査フレームの見直しにより、次年度早急に残された調査を実施する必要が生じたことから、次年度使用額をこの調査にあてる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 備考 (2件)

  • [備考] 運動部活動適正化モデル校の実践事例集

    • URL

      https://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/gakkou/karada/taiiku/bukatsu/jireisyu.pdf

  • [備考] プロスポーツとの連携による茨城・水戸の地域活性化

    • URL

      https://www.scc.ibaraki.ac.jp/event/3051.html/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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