研究課題/領域番号 |
17K01715
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤本 元 筑波大学, 体育系, 助教 (30454862)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ハンドボール / 個人戦術力 / 発育発達 |
研究実績の概要 |
本研究では,ハンドボール競技において,攻撃が数的に有利な状況を設定し,攻撃における個人戦術力を戦術的思考力および技術力の観点から評価し,その関係性を検証すること,この評価資料を用いて個人戦術力の発展について明らかにすること,発育発達段階に応じた個人戦術力を高めるための適切なトレーニング方法についての示唆を得ることを目的としている。 平成29年度は,筑波大学の會田宏先生,山田永子先生,ネメシュ・ローランド先生と個人戦術力についてのディスカッションを重ねる中で,複数の攻撃者がいる場合に,自分以外の攻撃者の技術力および戦術的思考力と攻撃者間のプレーイメージの共有もプレーの成立には大きく関わることが浮かび上がってきた。 平成30年度は,他の競技の指導書や戦術に関する文献から,集団で行う球技の競技者に必要な競技力の全体像を見直し,その競技力における個人戦術力の位置付けについて考察した。また,この考察をもとに,競技力の養成に関して,自分の経験と照らし合わせながら,その内容を整理し著作した。チームがトレーニングを計画する場合には,どのような戦いがしたいかというゲーム観をもとに,どのように戦うかというゲーム構想が決定される。ゲーム構想に方向付けられて競技者個人が行うプレーが具体化され,また,競技者間のプレーイメージが共有されていくことになる。したがって,プレーに関する緩やかな約束事が必要になり,このことは実験における攻撃の条件設定をするときの重要な留意点となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際の実験研究は行っていないが,集団で行う球技の競技力の全体像とその中における個人戦術力の役割が捉えられてきた。これにより個人戦術力の評価やそのトレーニング方法の方向性がより明確になってきている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,大学生男子ハンドボール競技者を対象に,数的に有利な状況での攻撃を行わせ,ビデオに収録し,その時のプレーにおいてプレーヤーが感じていたことや考えていたことの調査し,また専門家にから見たその妥当性についての評価を行う実験を計画している。 この実験からそれぞれのプレーヤーの技術力と戦術的思考力を評価し,個人戦術力の構造とそのトレーニング方法についての示唆を得たいと考えている。
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