研究課題/領域番号 |
17K01720
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
山口 泰雄 流通科学大学, 人間社会学部, 特任教授 (90094531)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 統合・インクルージョン / スポーツ政策 / EU / 障がい者スポーツ / 競技スポーツ / 生涯スポーツ / スポーツ団体 |
研究実績の概要 |
本研究は、EUにおけるスポーツの統合・インクルージョン政策を、メール調査およびヒアリングをSWOT分析により検証する。本年度は、研究テーマである「統合・インクルージョン」に関連する用語の整理を行った。包摂(inclusion)は、排除(exclusion)の対立概念であり、統合(integration)は、分離(segregation)の対立概念であり、EUにおいては、加盟国の統合とインクルージョンを促進するツールとしてスポーツの価値が評価されている。 2020年度は、2019年に発症した新型コロナウイルスの影響により、9月に開催されているEUスポーツ週間において、EU各国で開催されている参加型プログラムが制限された。しかし、非接触型のオンラインプログラムが開発され、”世界ウォーキングデイ”においては、各国で実施しているウォーキングプログラムの動画を収集・編集・配信し、コロナ禍においても、スポーツ・身体活動プログラムの重要性と楽しさをアピールしている。また、EUスポーツサミットにおいては、リアルとオンライン参加のハイブリッド形式により、参加者数の維持と増加に成功している。 研究者は、"The future of South/North Korea sports exchange and cooperation"シンポジウム(オンライン)において(2010年12月)、EU加盟27カ国における、スポーツの統合・インクルージョン政策により、生活の質向上とスポーツ経済効果、および国際関係の維持・発展に貢献していることを発表した。特に、EUスポーツ政策の中心事業である「Erasmus+」の枠組みと成果・評価に関して、10ヵ国以上の事業参画、スポーツ・青少年団体、大学、各国政府の参画により、成果を挙げ、事業に対する助成金が年々上昇している点などを報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、当初3年計画であった。しかし、2019年4月に流通科学大学に特任教授として着任したことにより、研究の進行にやや遅れが生じた。また、2020年1月以降の新型コロナウイルスの国内外の影響により、計画していたドイツとフンランドにおけるヒアリング調査が不可能になった。ケーススタディの対象国であるドイツは、これまでのヒアリング調査とウェブ調査により、データ量を蓄積している。また、フィンランドにおけるアリング調査は、実施できていないが、ウェブ調査により組織的な統合状況の概要を収集した。
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今後の研究の推進方策 |
最終研究年度においては、ドイツのケーススタディをまとめること、そしてフィンランドにおけるヒアリング調査を進めることから始めたい。また、これまでのデータ分析によるEU各国のスポーツ団体の統合・インクルージョンをパターン化し、分析を進める。 最終的に、研究協力者を加え、EUにおける統合・インクルージョン政策のSWOT分析を行い、強みと弱みを明確にし、研究協力者と共に、今後のスポーツ政策に関する議論を行うことにより、政策課題を提示したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度は、コロナ禍において緊急事態宣言が発出され、EUにおけるヒアリング調査が実施できなかった。最終研究年度においては、ドイツのケーススタディをまとめること、そしてフィンランドにおけるヒアリング調査を進めることから始めたい。また、これまでのデータ分析によるEU各国のスポーツ団体の統合・インクルージョンをパターン化し、分析を進める。 最終的に、研究協力者を加え、EUにおける統合・インクルージョン政策のSWOT分析を行い、強みと弱みを明確にし、研究協力者と共に、今後のスポーツ政策に関する議論を行うことにより、政策課題を提示したい。
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