研究課題/領域番号 |
17K01720
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
山口 泰雄 流通科学大学, 人間社会学部, 特任教授 (90094531)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 統合・インクルージョン / スポーツ政策 / EU / 障がい者スポーツ / 生涯スポーツ / 競技スポーツ / スポーツ団体 |
研究実績の概要 |
本研究は、EUにおけるスポーツの統合・インクルージョン政策を、メール調査およびヒアリング調査をSWOT分析により検証する。2021年度は、研究テーマである統合インクルージョン政策のウェブ調査と、障害者スポーツに焦点を当てたレビューを行い、さらにEUにおいて開催されたオンライン会議に参加し、情報を収集した。 2021年度は、2019年度に発症した新型コロナの影響により、昨年度同様にスポーツイベントのライブ開催が制限され、さらに当初予定していたフィンランド等における現地調査によるヒアリングを実施することができなかった。そこで、フィンランドのスポーツ団体のウェブ調査を実施した。その結果、2017年1月1日から旧フィンランドオリンピック委員会は、フィンランドスポーツ協会(Valo)と統合し、新たなフィンランドオリンピック委員会(FOC)としてスタートした。FOCにおいては、これまでのエリートスポーツだけでなく、国民のアクティブライフへの行動変容を新たなミッションとしたことが明らかになった。 また、2021年度は障害者スポーツの統合・インクルージョン政策に焦点を当て、先行研究のシステマティックレビューを研究協力者と共に実施した。研究成果は総説論文としてまとめ、生涯スポーツ学研究に投稿し採択された。 さらに、2021年度に開催された生涯スポーツに関する2つのオンライン会議に参加した。ひとつは、6月18日~24日にかけてポルトガルのリスボンで開催された第7回TAFISA Sport for All Gamesにおけるオンライン会議で、日本からは大日本乗馬会、フィットネスレガシー等が動画配信を行った。もうひとつは、2022年1月31日から2月1日にかけて、欧州委員会と欧州教育文化総局が主催したOnline Info Dayに参加し、スポーツ分野のErasmus+情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、当初3年計画であった。2019年に発症し、2020年1月以降の新型コロナウイルス(covid-19)の国内外への影響により海外渡航が制限され、フィンランドとドイツにおけるヒアリング調査を実施することができなかった。ケーススタディの対象国であったフィンランドは、ウェブ調査により組織的な統合に関する情報収取を行っている。ドイツに関しては、これまでのヒアリング調査とウェブ調査によりある程度のデータ量を蓄積している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である2022年度は、フィンランドにおける新たなフィンランドオリンピック委員会等に対するヒアリング調査を実施する。また、ドイツ等におけるEUのスポーツ団体に対して統合・インクルージョン政策の評価に関するヒアリング調査を実施する。 最終的に、研究協力者を加え、統合・インクルージョン政策の評価に関するSWOT 分析を実施し、同政策の強みと弱み、および統合・インクルージョンに向けたパターン化を行う。これらの成果を総合し、今後のスポーツ団体の統合・インクルージョンに向けた課題と方向性を提示したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による移動制限により、海外ヒアリング調査が実施できず、1年延長になった。次年度は、残っているフィンランド、ドイツ等におけるヒアリングの現地調査を行う。
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