本課題研究は,ブラインドサッカー選手の状況把握をサポートする指導者・ガイド・コーチ・ゴールキーパーの指示内容の意識やイメージの共有について分析を加え、選手の動作特性について明らかにし、ブラインドサッカーの競技特性を複合的に分析することを目的としている。 本年度は日本を代表する指導者を対象に半構造化インタビューを実施し,言語教示内容や指導方法、さらには障がい理解や他者理解など意思伝達における前提条件も顕となった。現在、その分析作業が行われ,学術論文の投稿準備を行なっている.また、選手の動作特性については、合計12名、20ゲーム以上を対象に、移動距離、速度(最大、最小、平均),心拍数(最大、最小、平均)、スプリト走を計測した。女子選手は男子選手に比べ、平均走行距離は60%程度に止まるが、心拍数は高いことが示された。また、動作特性に関する予備調査として実施したトレーニング環境に関するインタビューをブラインドサッカー協会、並びにクラブチーム代表者に実施した。ブラインドサッカーは強化指定選手が合宿やトレーニング環境が定期的に提供されるが、クラブチームにおいては、選手が安心・安全に実施できる場が提供されていないことが明らかとなった。ブラインドサッカーの動作の特性は日常の身体活動に加えて、サポート体制を考慮した上で、実施しなければ現実的な成果を提示することは困難である。そのため本研究で得られたデータは、性別に加えて、多様な環境でトレーニングを実施している選手から採取されたため、チーム・代表歴なども考慮して分析を進めることが必要がある。現在、当該観点から分類し、データをまとめ学術論文の投稿準備を行なっている.
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