研究実績の概要 |
【目的】高圧暴露は、ミトコンドリア生合成に関与するタンパク質発現を促進し、持久的運動能力を高めることを既に報告した。本年度の研究では、幼若期から長期間トレーニングを積んだマウスの持久力向上に及ぼす効果を観察した。 【方法】5週齢のマウスに7週間、自発走運動を負荷することで、持久的運動能力が約6倍増加した。その後、トレッドミル走による持久的運動群(ET, 20-32.5 m/min, 1h/d)、ET+高圧暴露(HypET, 1.3気圧, 1h/d)、インターバル運動群(SIT, 30-42.5 m/min, 5s-run/10s-rest, 25min, 2set/d)、SIT+高圧暴露(HypSIT)群に分けて4週間(週6日)実施した。 【結果と考察】持久的運動能力は、HypET群とHypSIT群で有意に増加した。腓腹筋とヒラメ筋の筋重量体重比がHypSIT群で顕著に増加した。腓腹筋のHAD活性がET群よりもHypET群で有意に高い値を示した。横隔膜のCS活性はHypET群とHypSIT群で有意に増加していた。これらのことから高圧暴露は、長期間トレーニングを積んだマウスの持久力向上に寄与することが示唆された。
|