研究課題
近年、アジア諸国の糖尿病患者数は増大しており、世界トップ10のうちの4カ国がアジアからである。このことからも、日本人を含むアジア人に適した治療・予防ガイドラインを作成するため、非肥満(標準体重者)の2型糖尿病発症予防に対するエビデンスの構築が求められる。しかしながら、主たる糖尿病発症の要因が肥満によるインスリン抵抗性の増大ではなく、インスリン分泌不全を由来としている2型糖尿病患者を含む非肥満の糖代謝異常者については十分な検討がなされていない。本研究は、日本人に多い標準体重者における2型糖尿病の発症予防・治療を目的とした生活習慣ガイドラインのためのエビデンスを構築することを目的として進めてきた。昨年度までは、主にエネルギー・基質代謝能のメカニズムに関する実験的検証を進めてきた。本年度においては、機械学習によるモデリングから2型糖尿病患者における医療費とその要因について検討した。この課題は当初から含まれていたが、医療費にも着目することで実現性の高い公的施策へと結びつけることをねらいとしたものである。モデリングの結果から、生活習慣項目においては運動習慣と弱いながらも関連が認められた。また、生活習慣を改善するための支援プログラムの構築を目指し、自己決定理論に基づく動機づけ支援を主目的としたタブレット端末アプリの開発についても進めた。介入試験によるプログラムの慢性効果の検証までは着手することができなかったが、研究期間を通じて、今後進めていくうえでの基盤となる知見を得ることができた。
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JMIR Mhealth Uhealth
巻: 7(8) ページ: e13938
10.2196/13938