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2018 年度 実施状況報告書

運動によるHDL代謝・機能の向上作用とミトコンドリア機能へおよぼす効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K01772
研究機関福岡大学

研究代表者

上原 吉就  福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70373149)

研究分担者 田中 宏暁  福岡大学, スポーツ科学部, 非常勤講師 (00078544) [辞退]
朔 啓二郎  福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
檜垣 靖樹  福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
川中 健太郎  福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (80339960)
松村 剛  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20398192)
松永 洋一  徳島文理大学, 薬学部, 教授 (80239053)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードHDL / ミトコンドリア / 運動
研究実績の概要

抗動脈硬化治療戦略として,これまで一貫して 高比重リポ蛋白(HDL) を標的とした脂質輸送体や転写因子ならびに人工HDLに関連する研究を行い,エビデンスを構築してきた.しかしながら,HDLのみを標的とした治療薬は未だ臨床応用されておらず,有酸素系運動によるHDLコレステロール増加効果が最も現実的かつ効果的な治療法の1つである.
本研究では,様々な負荷量の運動によるHDLコレステロールの増加作用を明確にするとともに,運動がHDLコレステロールの量への作用 ならびに HDLコレステロール量のみでなく,ApoA-I, CETP,LCAT の血漿中の活性,可溶性ABCG4 量および末梢血白血球中の ABCA1, ABCG1, SR-BI などのHDL 関連分子の発現の解析ならびに HDL cholesterol efflux capacity, HDL inflammatory index等のHDLの機能に対する向上作用を検討する。
その他HDL自身の直接作用として、HDLによるの骨格筋でのミトコンドリア機能への向上作用を検討することによって、運動によるHDL上昇が、更なる骨格筋でのミトコンドリア機能への向上作用を明らかにすることに加えて、HDL自体のインスリン抵抗性改善や骨格筋への機能向上作用メカニズムを解明することを目的としている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

メタボリックシンドローム患者のなかでも低HDL血症を持つ被検者について、HDLコレステロール値は乳酸域値レベルの12週間の運動において非運動群が+3.6%の上昇に対して+14.0%もの上昇を示していた。HDLコレステロール値と同様にHDL efflux capacityは+45.2%の上昇を認めており、順調に研究は進行している。
乳酸域値レベル運動での前後のHDLによる培養細胞ミトコンドリア機能解析では、非運動群と比べて運動群の運動後HDLによる基礎呼吸能が 72%有意( p<0.05)な上昇が認められていた。
一方、マウスを用いた in vivo 実験系にて予定の約半数のマウスの解析において、人工HDLは腓腹筋の骨格筋重量を増加させ、また人工HDLは直接的な骨格筋の糖取り込みを上昇させる傾向を示していた。

今後の研究の推進方策

平成31(令和元)年度以降は,平成30 年度に引き続き健常者およびメタボリッックシンドローム患者を対象として,エルゴメータを使用した運動を60 分/日,週1 回および週3 回の運動介入を12 週間行う.
健常者およびメタボリックシンドローム患者を対象として,エルゴメータを使用した運動介入を12 週間行う.介入頻度(60 分/日,週3 回)で固定して介入を12 週間施行し,運動強度は呼気ガス分析装置を用いて最大酸素摂取量の50%(乳酸域値)強度の運動介入を行う.介入前後での体重,体組成,脂質,血糖,各種動脈硬化関連マーカーを測定するとともに-80℃フリーザーにて保存したサンプルを用いてHDL コレステロール値への変化の違いを検討するとおもに運動前後の被検者HDL分画を分収し,それぞれC2C12 培養筋管細胞を24~48 時間インキュベーションを行い,細胞酸素消費速度(OCR),プロトンリーク量をex.vivo系の細胞外フラックスアナライザーにて運動後効果を反映したHDL によるミトコンドリア機能向上作用を解明する.
運動介入を行い保存した被検者血漿についてもそれぞれの群において,介入前後の一般脂質プロファイル,アポA-I を酵素法,ELISA 法にて測定し、HDL inflammatory indexも測定し運動による効果を明らかにする.さらにHDL コレステロール値に強く関連している酵素,CETP,LCAT の血漿中の活性,可溶性ABCG4量および末梢血白血球中ABCA1,ABCG1,SR-BIなどのHDL 関連分子の発現を見ることにより,どのようにHDL コレステロール値およびHDL機能を向上させるのか,
そのメカニズムの詳細も併せて解明する.

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公開日: 2019-12-27  

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