研究課題
抗動脈硬化治療戦略として、これまで一貫して 高比重リポ蛋白(HDL) を標的とした脂質輸送体や転写因子ならびに人工HDLに関連する研究を行い、エビデンスを構築してきた。しかしながら、HDLのみを標的とした治療薬は未だ臨床応用されておらず、有酸素系運動によるHDLコレステロール(HDL-C)増加効果が最も現実的かつ効果的な治療法の1つである。本研究では,運動によるHDL-Cの増加作用を明確にするとともに、運動がHDL-C代謝への作用を検討する。その他HDL自身の直接作用として、HDLによる骨格筋でのミトコンドリア機能への向上作用を検討することによって、運動によるHDL-C上昇が、更なる骨格筋でのミトコンドリア機能への向上作用を明らかにすることに加えて、HDL自体のインスリン抵抗性改善や骨格筋への機能向上作用メカニズムを解明することを目的としている。低HDL(HDL-C≦ 50mg/dL)を持つ被検者において、コントロール群、乳酸域値レベルの運動介入を行った群、食事療法群の3群に割付け、12週間観察した。運動介入群においてのみHDL-Cは有意に上昇していた。また47名のメタボリックシンドロームを持つ被検者においても同様に、3群に割付け12週間の介入を行った。いずれの研究でもHDL-C値は運動介入群において有意な上昇を示していた。HDLによるC2C12培養筋芽細胞におけるミトコンドリア機能解析では、ヒトHDL添加によって酸素消費量(基礎呼吸量)の有意な上昇が認められていた。
すべて 2020 2019 その他
すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
https://resweb2.jhk.adm.fukuoka-u.ac.jp/FukuokaUnivHtml/info/4089/R110J.html?P=1590656194316