研究課題/領域番号 |
17K01776
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
小西 優 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 教授 (90390301)
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研究分担者 |
二橋 元紀 上武大学, ビジネス情報学部, 講師 (20738017)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 前十字靭帯 / 膝 / 経頭蓋脳脳磁気刺激 / 大腿四頭筋 / 筋機能低下 |
研究実績の概要 |
膝関節に起こる外傷・障害やそれに関連する外科的手術等の影響により下肢筋筋力は低下する。下肢筋の中でも大腿四頭筋における筋力低下は著しく、さらにこの筋力低下は長期間に渡って持続することがわかっている。この筋力低下は、Arthrogeneou Muscle Inhibition (AMI)と呼ばれており、これらの患者の機能回復のためのリハビリテーションを妨げる要素であることから、このメカニズムを解明しようと多くの研究が行われきてている。申請者は、先行研究の中で、この筋力低下に末梢神経系の異常が関連している根拠を、前十字靭帯(ACL)損傷患者を被験者とした研究において初めて示した。しかしながら、その後の研究で上位中枢における何らかの制御異常が起こっている可能性を示す報告も数多くされてきており1, 2、AMIの発生と上位中枢の機能異常の関連を、より直接的な方法を用いて検証することはAMIの神経生理学的機序を明らかにするうえで不可欠である。 そこで、本計画では経頭蓋磁気刺激法(Transcranial magnetic stimulation Transcranial magnetic stimulation(TMS))と呼ばれる手法を用いた。 今回の研究の結果から、ACL損傷患者の皮質脊髄路内での変化は起こらないものの、短潜時皮質内促通が、ACL損傷患者の患側で有意に小さかった。この変化から前十靭帯損傷患者の大腿四頭筋は、大脳皮質内に変化が起こっていることが分かる。これらの患者のリハビリテーションを考える際に、末梢のみならず、上位中枢を絡めたリハビリテーションを行っていくことが重要であることが示唆された。
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