研究課題/領域番号 |
17K01777
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研究機関 | 札幌学院大学 |
研究代表者 |
斉藤 美香 札幌学院大学, 心理学部, 准教授 (50625100)
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研究分担者 |
齋藤 暢一朗 北海道大学, 学生相談総合センター, 講師 (90722091)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 援助要請行動 / 自己効力感 / メンタルヘルス教育 / 恥意識 |
研究実績の概要 |
平成29年度、従来のメンタルヘルス教育プログラムの受講後に援助要請行動が促進された学生と促進されない回避型の学生の個人要因の違いを検討した。その結果、自己効力感や社交性の低い人、他者の目を気にする恥意識の強い人は促進効果がないと明らかになった。 平成30年度は当初予定していたとおり、前年度の研究結果を踏まえてのメンタルへルス教育プログラムの開発を遂行した。具体的には、自己効力感、社交性、恥意識に働きかけるメンタルヘルス教育プログラム改変のための研究を行った。援助要請回避型に不足しているレジリエンス要因の促進のため、プログラムに組み込むワークを“ resilience program for adult”(Barrett2006)のファシリテータープログラム研修を受け、参考にした。また、より生態学的な妥当性を踏まえてプログラムを作成していくために、大学生約100名を対象にエピソード法を用いた調査を行った。当初、予定していた学生相談機関への来談率の高い先駆的な取り組みを行っている国内外の大学への視察調査を実施できなかったので、2018 Anual Conference AUCCCD(The Association of College Counseling Center Directors)に参加し、全米での学生相談機関のレジリエンス教育についての知見を集めた。これらの成果をもとに、短時間で実施するメンタルヘルス教育の仮プログラムを試作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度、予定していた調査は実施したが、前年度の研究結果(恥意識への介入方法の必要性)が当初予定していた計画より、広範囲の調査が必要となり時間を要したため、全体の進捗が遅れている。また、視察調査が実現しなかったため、研究費の未執行分が出た。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度は、短時間バージョンでのメンタルヘルス教育プログラムと従来のプログラムの効果比較を早期に検証する。また、平成30年度に未実施だった先駆的試みをしている大学の視察についても進めているところである。継続バージョンでのメンタルヘルス教育プログラムは作成し、効果検証を実施する具体的企画も立てられているので、最終的には研究計画どおりに遂行予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度に予定していた、国内の先駆的大学への視察が未実施であったことと、大学生を対象にエピソード法を用いた調査の実施が遅れているため、調査研究のために予定していた費用が未執行となった。令和元年度に、実施し使用する予定である。
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