本研究の目的は,被災地の現状を考慮しながら教師の学校ストレスの低減要因を明らかにし,その成果からストレスマネジメント研修会を構想し実施することであった。まず,「ストレッサー」「対処行動」「認知的評価」を測定する尺度を作成した。『生徒指導』に関するストレッサーの経験とこれに耐え,妥協することが「不安」を増悪させることが分かった。その「不安」には問題焦点型の,「怒り」には情動焦点型の対処行動が有効であることが明らかとなった。これらの知見に基づき研修会を構想し実施したところ,「対処行動」に関する理解が最も有効にはたらくことが分かり,また,各構成の適切な順序について検討された。
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