研究課題
本研究では、人間の健康管理を機器の方から積極的に支援するシステムの開発を目指し、普段の何気ない動作の最中に生体計測を行えるセンサモジュールと、日常の体調データを基に健康管理・ストレス管理できるような可視化評価技術の開発をおこなってきた。最終年度として、とくに睡眠時に着目し、睡眠時の非拘束生体計測データを取得・収集するIoTセンサモジュールをハードウェアで実現した。また、ストレス指標として、起床後の睡眠満足度に関するアンケート結果と心拍ゆらぎデータとの相関をあらわし可視化する散布図を考案した。IoTセンサモジュールのハードウェアを小型化・低消費電力動作で実現すると共に、本モジュールを使用して取得した睡眠中の時々刻々の生体および環境データと、起床後の五段階睡眠満足度アンケートや睡眠調査票などの結果とを照合し、ビッグデータ解析をおこない、快眠に寄与する度合いの大きい因子について考察した。満足度の高い場合とリラックス指標、低い場合とストレス指標との相関がそれぞれ強い事を確認した。新しい指標として考案した散布図については、睡眠満足度の高い場合とリラックス指標、低い場合とストレス指標との相関がそれぞれ強い事が確認できた。以上により、普段の生活において小型IoTセンサモジュールを用いて計測を意識する事なくデータを収集し、加工・転送した後ビッグデータ解析を行い、ストレス状態かリラックス状態か、また睡眠に満足していたか否かを可視化する個別基盤秘術は確立したといえる。今後は、昼夜の日常生活におけるデータ取得と長期蓄積データも加味した解析・可視化評価による健康管理システムとして集積統合化していく必要がある。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE
巻: 10 ページ: 366,372
10.1587/nolta.10.366
Medicina
巻: 55 ページ: 732,742
10.3390/medicina55110732