研究課題
最終年度は、生体から放出する微弱な励起光子を指標として、運動による生体内エネルギーの変化を客観化することにより、光の生体情報という新たな視点からの評価を試みた。被験者は、健康な成人男性22名とし、運動種目は剣道とした。2時間の稽古を行い、その前後での生体の励起光子およびPOMS検査を行った。励起光子の分析は、GDVエネルギーフィールドおよびサイエンティフィックラボラトリーソフトを用いた。主な指標は、生体エネルギー量を示すArea、Intensityとした。POMSは、日本語版 POMS 短縮版検査用紙により行った。統計解析の結果、運動前後の励起光子のArea、Intensity変動に有意差(p<0.05)が認められた。POMSでは、疲労の項目において有意差(p<0.05)が認められた。(令和2年度日本体育測定評価学会 第20回記念大会)本研究のバイオフォトンを検査するGDVの特徴は、非侵襲に加え、短時間で測定が可能なことから身体への負担が少なく、容易にデータ蓄積できる。いわば、多くのデータから生体の状態を把握することができ、その特性を知ることがシンプルであるということ。従来の生体情報の評価手法に加えて、GDVから導き出されたバイオフォトンを各個人の継続的測定による変化を一つの指標とすることで、健康維持・増進、疾病予防といった多様化、個別化する健康管理での新しい指標としての可能性を有していると考えられる。バイオフォトンという物理学的評価方法を総合的に活かして健康分野、医療分野で生体内のエネルギー変化をホールボディとして捉えることが出来る新規の測定方法としての有用性が示唆された。
すべて 2021
すべて 学会発表 (1件)