研究課題/領域番号 |
17K01791
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
岡崎 勘造 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (40586773)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 子ども / 縦断研究 / ヘモグロビン推定値 / 活動量計 / QOL / 睡眠 / 朝食 |
研究実績の概要 |
本研究は、学齢期の子どもの元気・活力(quality of life:QOL)に対し、貧血傾向、または生活習慣が影響しているのか、貧血傾向と生活習慣には関連があるのか、を検討することを目的とする。さらには、強度別身体活動、朝食、睡眠の生活習慣について、どの健康行動が子どもの生活リズムを整えるために注視すべきか、ということについても明らかにすることを目的としている。 当該年度においても、小学生90名、中学生80名のおおよそ計170名を対象に、調査を実施することができた。調査時期は、2019年2月から3月にかけて実施した。本研究の特徴の一つが、生活習慣におけるヒトの活動を、デバイスを用いて客観的に評価し続けていることである。したがって、当該年度の研究成果の一つは、デバイスによる客観的な子どもの活動量データをパネル化できたところにある。 また、本研究では、非侵襲性の機器を用いて、貧血傾向の現状を評価していることも特徴の一つである。近年、不定愁訴を訴える児童・生徒が目立つことが危惧されている。その主訴は、貧血傾向の症状と類似している。我が国の貧血傾向の現状は、不明なことが多い。そのヘモグロビンと関連する資料を収集できたことは、児童・生徒の健やかな成長を考える上で意義がある。小学生では約14%、中学生では約20%が、ヘモグロビン推定値が基準よりも低い傾向を示した。また、貧血傾向の女子生徒では、持久力との関連がみら、ヘモグロビン推定値が低い女子生徒ほど、持久力が低かった。 その他、健康指標QOL、生活習慣においてもデータを収集できている。活動量を含む生活習慣のデータを紐付けできたことは、QOL、ヘモグロビン推定値の健康への影響を検討することに貢献でき、当該年度に獲得できた重要な研究成果と思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度も、データを収集できた。ただし、ヘモグロビン推定値については、計画していたよりも収集できたデータが限定的であった。当初は、活動量計の装着に協力してくれた児童・生徒全員から、ヘモグロビン推定値のデータを収集することを予定していた。当該年度は、小学生では、全員からデータを収集することができたが、中学生では、悉皆にすることができなかった。このことから、計画通りにすべてが進展しているとは言い難く、やや遅れている状況である。計画では、次年度はデータ収集を行うことを予定していないが、引き続き、データ収集ができるように調整することで対応する。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進策について、平成31年度は、これまでのデータを用いて、学齢期の子どもの元気・活力に対して、貧血傾向、または生活習慣が影響しているのか、生活習慣と貧血傾向は関連があるのか、強度別身体活動、朝食、睡眠の生活習慣について、どの健康行動が子どもの生活リズムを整えるために注視すべきか、ということについて、分析を進める。当該年度において、ヘモグロビン推定値のパネル化が限定的である。したがって、ヘモグロビン推定値もパネル化させる対応策として、次年度においても、引き続き、これまでと同様に、可能な限りデータ収集を行うことを予定する。データ収集ができるように、継続して小学校、中学校との連携を強化し、調整していく。収集したデータをアウトプットすることも積極的に行う。国内外の学会においてデータを発信し、論文を作成できるように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として、主に論文校正費用、資料整理・調査補助への謝礼が予定の支出より少なくなっていると考えられる。翌年度分の使用計画として、今年度も継続してデータ収集を行うために活用すると共に、生じた当該助成金は、英語論文作成のための費用、国内外の学会発表の旅費、および調査研究活動を遂行するための人件費に充て、課題をよりよく遂行し、その成果をアウトプットするために活用する。
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