研究課題/領域番号 |
17K01799
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
島田 恭子 東洋大学, 現代社会総合研究所, 客員研究員 (30781380)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ワークライフバランス / スピルオーバー / クロスオーバー / 人間関係 / 対人関係 / コミュニケーション / 対人関係療法 |
研究実績の概要 |
子どもの健康増進を目的とした親のワーク・ライフ・バランス向上プログラムを開発する本研究において今年度は、 プログラムの準備とトライアル第1回目を行なった。 一昨年度の当事者インタビューおよび先行研究レビューにより、親の心理状態やワーク・ライフ・バランスに働きかける要因の中で、特に「コミュニケーションのあり方」が子どもの健康増進に重要である可能性が明らかとなった。そのため職場(上司・同僚・部下)、パートナー、親子(義理・実父母、子供)間の3種類のコミュニケーションに焦点を当て、特にその有効性が確認されながら、日本では未だメンタル未病層にはほとんども用いられていない「対人関係療法」のコアコンテンツを用いて、介入プログラムを作成した。 また当事者ヒアリングにより、育児中の労働者には、テキストを用いた対面型集合研修の方が、ニーズ・実施可能性・内容の浸透性および副次的効果(ソーシャルサポート強化、ネットワーキング化)が高まる可能性が示唆されていたものの、昨今の新型コロナウイルスによる影響を鑑み、急遽、紙媒体のテキストプログラム試作版に加え、ZoomおよびYouTubeでの研修にも対応できる準備を進めることとした。 また研究認知度向上を目的としたホームページにて、研究内容紹介、情報提供等を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度、作成した試作版を元に、対人関係療法および対人関係カウンセリングの手法を用いた介入研究の試行を行い、 修正後完成版にて介入プログラムを順次実施する予定であったのが、施行場所1事業所の初回実施のあと、コロナウイルスの自粛要請により、その後の実施が難しくなってしまった。 実施事業所との相談により、 今後の実施については、オンライン研修やe-learningの形も含め、研修の最適な形を再検討することになったこと、またそれにより、プログラム自体の外形を改良する必要があることから、当初の計画に比べ (3)やや遅れている、とした。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り当初は、2019年度中に対人関係療法および対人関係カウンセリングの手法を用いた介入研修を行い、効果評価まで行う予定であったのが、1事業所1研修を実施するにとどまった。 また新型コロナウイルスの感染拡大により、その後の研修が、オンライン、e-learningなど、形態を変える可能性が出てきた。 そのため2020年度初旬に、事業所担当者とともに、最適な研修形態を検討し、年度末までに、効果評価まで行うものとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
介入研究施行に、想定以上の時間を要したため、当初は2019年度に行う予定であった、第2回目以降の研修を2020年度に行う必要がある。 そのため、研修の施行および効果評価研究に関わる諸費用を、2020年度予算に計上する。
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