研究課題/領域番号 |
17K01799
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
島田 恭子 東洋大学, 現代社会総合研究所, 客員研究員 (30781380)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | メンタルヘルス / 対人関係療法 / コミュニケーション / 予防精神医学 / スピルオーバー / クロスオーバー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、新たに開発したウェブ版対人関係プログラムの心理的ウェルビーイングおよびメンタルヘルスの向上効果を子育て中の女性を対象に、ランダム化比較試験を用いて検証することである。 今年度はパイロット研究結果に基づき、プログラムコンテンツの企画・制作、参加者の募集および介入プログラムを実施した。 まずは対人関係療法の考え方をもとに、動画やテキストを中心としたプログラムコンテンツを作成した。 また20歳以下の子供を持つ、現在精神疾患で通院中でない子育て女性を対象に、ウェブページやプレスリリース、SNS等で広く募集を行い、参加者を介入群と対照群にランダム化した。 プログラムは19の動画を中心とした4つのモジュールから構成される完全オンラインWebプログラムコンテンツであり、対人関係療法(IPT)の要素を含む事例ワークブック形式のコンテンツとなっている。参加者管理はLINE公式アカウントを用いて行い、介入群と対照群ごとに、プログラムの進捗を個別管理した。またプログラムの理解を助けるために、動画と同じ内容のテキストを準備し、あらゆる状況の対象者に対応できるよう工夫した。参加者には、LINEや(参加者のみの)非公開Facebook等で、プログラムの内容についてのサポートを行い、オンラインシステムZoomやSNS音声ツールClubhouseを用いて、モジュールガイダンスやワークのサポートも行った。同意の撤回、倫理的配慮等については、常時ウェブページで情報を公開し、事務局へ連絡できるよう配慮した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在介入群は約5週間のプログラムを終了し、効果評価のための2回目調査票の回収段階である。また対照群は、2回目調査票を回答された方より順次プログラムを案内している段階である。 全3回の調査票が集まった段階で、統計解析を行い、学会発表や論文等で結果を公表していく予定である。 新型コロナウイルス感染症の影響で、急遽完全オンライン・オンデマンドプログラムにい変更したことで、プログラム開始が遅延したものの、プログラム提供後は現在まで大きな混乱等起こっていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在介入群の3回目調査、対照群の2回目・3回目調査を待って、統計解析に着手する段階であり、介入結果が明らかになった時点で、国内外の学会や論文等で、明らかになった知見を公表していく予定である。 新型コロナウイルス感染症により、予防保健のプログラムもオンライン・オンデマンドに移行する必要性がある中、本研究の結果のみならず、プログラムの施行方法やウェブを用いた参加者管理等の方法についても、ぜひ公表していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は、結果の公表のために行う学会発表や論文化のための経費、ウェブコンテンツの構築費用および参加者管理のデータベース使用料に充てる予定である。
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