研究課題/領域番号 |
17K01801
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研究機関 | 東京未来大学 |
研究代表者 |
平部 正樹 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (20366496)
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研究分担者 |
藤後 悦子 東京未来大学, こども心理学部, 教授 (40460307)
藤城 有美子 駒沢女子大学, 人文学部, 教授 (40318283)
北島 正人 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30407910)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 通信制高等学校 / メンタルヘルス / 学習 / ストレス / 学習目標 / 学習方略 / 満足度 |
研究実績の概要 |
通信制高等学校(以下、通信制高校)は、近年、成立当初の勤労青年の学校という機能から、多様なニーズを持った生徒への対応という機能を持つようになってきた。生徒の多様性を考慮した教育という点で、通信制高校は重要な役割を有している。しかし、通信制高校の生徒の実態や支援方法についてなされた研究は少ない。私達は、2014年度から、主に精神保健と学習という観点で通信制高校生徒の現状を把握し、QOLを向上するための支援方法について検討することを目的として研究を行っている。 2017年度は、2015年度から継続している通信制高校生徒を対象とした質問紙調査を行うとともに、これまでに蓄積したデータの分析を行った。質問紙調査の調査票は、基本項目、入学前の不登校経験、ストレス、対処能力、精神健康、学習から構成されていた。基本項目は、入学年月、学年、性別、年齢、入学理由等から構成されていた。ストレスは、入学前のストレス、入学に関わるストレス、入学後のストレスから構成されていた。対処能力は、WHOのライフスキルの概念に基づいた質問項目を作成した。精神健康は、Kessler10、満足度、幸福感、自己成長度から成っていた。学習は、学習時間、学習目標、学習方略、知能観から成っていた。調査は、2107年11月から12月に全11キャンパス実施され、2973名からの回答を得た。 また、通信制高校生徒との比較のために、1校の公立通学制高校の生徒を対象とした調査を行った。質問項目は、通信制高校の項目とほぼ同じであったが、通学制高校に合うように、若干の微調整を加えた。調査は2018年の2月に実施され、252名からの回答を得た。 今後は、これらのデータから満足度に係る要因についての分析し、2018年度以降の研究につなげていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は、対象としている広域通信制高校の全キャンパスの生徒を対象として質問紙調査を行った。これは申請時に予定していた2017年度の計画とほぼ一致している。現在このデータの分析の途中であり、そこから2018年度以降のインタビュー調査の対象およびインタビュー内容を抽出していく予定である。一方で、2018年度に行う予定だった通学生高校の調査を、一部実施した。したがって、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度以降は、2017年度までに行った質問紙調査を継続する。また、通学制高校の生徒にも同じ質問紙を用いた調査を行う。通信制高校生徒の調査結果と比較検討し、通信制高校生徒の特徴をより明確にする。さらに、これまでの通信制高校の質問紙調査参加者の中から対象者を目的志向的に選定し、質的研究の方法に基づいたインタビュー調査を行う。通信制高校生徒の満足度に関わる要因、そのために必要な支援について、より詳細なニーズを聴き取り、分析する。これらすべての情報を統合して、研究期間終了までには、通信制高校生徒への総合的支援方法の検討・提案を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査の回答者数を多めに見積もっていたため、調査票の印刷代や、データ入力代に差額が出ることとなった。2018年度は、質問紙調査の継続と、インタビュー調査を行う予定である。質問紙調査の印刷代、データ入力代、インタビュー調査の実施費用として、交通費、インタビューのテープ起こし、対象者への謝礼等に使用する予定である。
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