本研究では、大学と高校の連携に加え、大学生のアクティブラーニングによる支援、さらには病院・クリニックによるリハビリテーションを総合的に活用したスポーツ傷害予防システムを開発し、高校における教育的かつ競技力の向上も図れ、スポーツ傷害からの復帰のプロセスも見えるスポーツ支援を構築することを目的とした。 スポーツ傷害予防システムの開発については、2017年度、2018年度に、担当教員の指導のもと、卒業生や大学生が協力し、高大連携校の高校サッカー部選手に対して、スポーツ傷害予防教室や体力測定を行った。しかし、2019年度から2022年度まで、新型コロナ感染症の影響により、スポーツ傷害予防システムの開発は中断している。 大学生のアクティブラーニングによる支援については、2017年度、2018年度に、担当教員の指導のもと、研究代表者の所属する理学療法学科の大学生は、高大連携の対象校を中心とする高校の部活生徒に対し、メディカルチェックと体力測定、コンディショニング、出張講義を行う部活支援を行った。しかし、2019年度から2022年度まで、新型コロナ感染症の影響により、部活支援は実施できなかった。大学生のアクティブラーニングによる支援については、大学生の参加回数が多いほど、課題発見、企画立案、主体的な学習、検査測定の知識と技術につながっていた。一方で、下級生は部活支援の取り組みが今後の学修に役立ちにくいと感じた者がいなかったが、上級生では1割ほどいた。上級生は臨床実習や国家試験とのつながりを感じにくい可能性が考えられる。 新型コロナ感染症が5類感染症に移行となったこともあり、今後は大学と高校との連携の再構築を進める計画について検討している。これまでの研究成果については、論文執筆を進めており、2023年度中に投稿する予定である。
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