研究課題/領域番号 |
17K01817
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (40334445)
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研究分担者 |
小林 美奈子 平成医療短期大学, 看護学科, 教授 (40312855)
青木 利江子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 非常勤講師 (60780244)
佐々木 明子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20167430)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 多世代交流 / 地域づくり / ソーシャルキャピタル |
研究実績の概要 |
地域づくりの過程で、多世代の交流の場を作ることが重要である。地域の多世代交流を促進するための関連要因は何か、また地域づくりにどのように貢献しているかを明確にすることを目的として、調査データを分析した。 新潟市の「地域の茶の間」455名の代表者を対象に横断的アンケート調査を実施した。 405名の代表者から回答があり(回答率:89.0%)、401名が参加に同意した(4名が辞退)。調査内容は、基本的な情報(開設日、開催頻度、世話人と参加者の数、代表者の資格など)、地域の文化を反映した活動、ソーシャルキャピタル、代表者が考える茶の間の効果(12項目)、運営上の課題(16項目)、多世代交流の実施の有無である。 茶の間に参加した年齢層のほとんどは高齢者であり、125か所(31.5%)で多世代交流が行われていた。多世代交流の実施に大きく関わった項目は、「開催頻度」(p <0.001)と「地域文化を反映した活動」(p = 0.026)であった。二項ロジスティック回帰分析は、開催頻度の多さが多世代交換の実施に関連していることを示した(オッズ比= 3.8339)。「地域のつながり」(p = 0.006)と「他世代との会話」(p = 0.004)は多世代交流を実施しているほうが効果を感じていた。「地域住民からの理解が得られない」という課題は多世代交流を実施している群の方が有意に多かった(p = 0.002)。 茶の間の参加は若年層は少ない。地域での多世代交流を促進するために、代表者が教育や医療系の有資格者の場合にはその資格を活かしつつ、開催頻度を増やしたり、お祭りや地元料理を作るなど、地域の文化を反映した活動を追加することが良いと思われる。この研究で、多世代交流の実施が地域のつながりに関連していることが明らかになり、地域づくりにとって重要な活動であることが明確に示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により、世代間交流が多くのところで中止され、介入を行うことが出来なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も引き続き、COVID-19の影響をうけて介入は難しいと思われるが、多世代交流は地域のつながりを強める上で重要な取り組みなので、withコロナ時代の新しい交流の在り方を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、新たな介入調査等が出来なかったため次年度使用額が生じている。当初の計画を変更し、現在実施可能な方法で介入を行う予定である。
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