研究課題
令和4年度(2022年度)は、世代間交流活動の継続性に焦点をおき、活動を継続するための要因・プロセスを明らかにすることを目的に調査を実施した。Covid-19の影響を大きく受けた世代間交流活動を今後も継続していくためにICTを活用した国内外の世代間交流の動向について文献検討を行い、最終的に14件を抽出した。65歳以上と20代の若者の交流が最も多く、ZOOMやタブレット、電話、Wiiなどのゲーム機が用いられていた。ICT技術を用いた世代間交流では、高齢者の社会的孤立を減らし、若者の高齢者に対する認識を改善し、自己効力感を高めるなどの効果が認められ、参加者の特性とニーズを考慮した新しい形での継続的な世代間交流活動が今後、ますます重要になると思われる。次に、10年以上、世代間交流活動を継続している4地域を抽出し、活動に長く関わっている地域のキーパーソンに継続に関する要因・構造などについて、半構造的インタビューを実施した。インタビュー対象者はA地区2名(居場所運営者1名、自治体職員1名)、B地区3名(地域高齢者サロン高齢者2名、大学教員1名)、C地区1名(学童保育指導員1名)、D地区6名(地域住民ボランティア1名、図書館職員2名、地域住民ボランティアグループ3名、合計12名である。既存資料やインタビュー結果をもとに、構造の図式化を試みて、「世代間交流活動継続性の構造図による可視化」「多機関の多様な働きかけ・連携・変化」「地域の世代間交流活動を継続的に見る視点」が分析された。研究機関全体を通して、世代間交流活動を継続していくためには、地域住民や社会環境の変化に合わせて、その構造を変化させていく必要があり、また地域の継続に関わる主要なキーパーソンの存在が地域の継続性のあり方に影響を与えることが明らかになった。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)
日本世代間交流学会誌
巻: 11 ページ: 11,20