研究課題/領域番号 |
17K01818
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
藤原 由記子 鳥取大学, 医学部, 講師 (20457336)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 乳がん検診 / 検診受診率向上 / 就業女性 |
研究実績の概要 |
乳がん検診受診率向上に向けて、就業する女性の乳がん検診受診行動へ至らない要因を明らかにし、乳がんに関する正しい知識や検診の利益や不利益など個人の受診行動を判断する知識をどのように提供し、行動変容を促すか支援対策を講じる目的のため、平成29年度は、以下のことを研究実施計画に沿って行った。1.乳がん検診受診推奨の取り組み、乳がん検診の不利益、がん検診の動機付けなどに関する文献検討を行い、すでに調査されている乳がん検診の受診行動に影響する要因を、分析し明らかにした。現在乳がん検診受診推奨の取り組みは、無料チケットの配布や土日診療の実施、女性検査技師による検診の実施などが主に行われているが、無料チケットの配布などは短期的には受診率向上の効果が現れるも、一時的な検診受診率の上昇に留まり乳がん検診受診率の継続的な向上には至っていないことが課題とされていた。また乳がん検診受診は、受診者の知識と関係していることも示唆されており、正しい知識を持っている人は無料クーポンなどを使用した無料の乳がん検診を受診しない傾向があることも示唆されていた。2.文献検討で明らかにされている乳がん検診の受診に影響する要因と、過去に研究者が調査を行った調査用紙の結果(高齢者の多い地域における乳がん検診の受診の動機付け)をふまえて、就業する女性にも該当すると考えられる要因を検討しつつ質問紙の項目や、インタビューガイドの作成を行った。3.役所の乳がん検診を担当する保健師と県や市の動向をふまえ、質問紙調査やインタビューガイドの内容についてアドバイスをもらいながら検討し、修正加筆するとともに、調査を依頼できそうな企業や公的職場を選定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
29年度の計画としては、研究対象者の選定と調査依頼、データ収集を行う予定であった。しかし、インタビューガイドの検討や研究対象者の所属する企業や公的職場の選定において、時間を要しているため、時期的に依頼し、研究開始が年度末から4月にかかることが予測された。そのため、企業や公的職場の担当者や研究対象者の年度末の異動や新年度となり業務の多忙さを考慮し、その代表者への依頼に至っていない現状である。調査開始により、企業や対象者が本来の業務に差し障りが生じるリスクを最小限とし、企業や公的職場への負担を軽減することは、研究対象者への配慮として不可欠であると判断した。そこで、5月中旬をめどに企業や公的職場への研究依頼と研究対象者の選定に関わる準備を整え、企業や公的職場の代表、担当者と打ち合わせを行う予定である。以後、研究承諾を得た後、研究対象者の都合も考慮しながらデータ収集に取り掛かる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
企業や役所などの責任者に研究依頼を行い、窓口となる担当者を紹介してもらったのち打ち合わせを行い、研究対象者の選定やデータ収集期間について決定し、実行することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集を30年度に行っていく予定のため、データ収集に関わる必要器材の購入やデータ入力に関する人件費を次年度に持ち越すこととした。 データを確実に保管し管理するために、インターネットに接続しないノートパソコン、統計分析ソフト、データや図表を作成するためのソフトが必要であり、その機能を備えたパソコンをレンタルして活用する計画を立てていたが、必要な使用期間にかかる予算より、新たに必要器材を購入するほうが安価であるということがわかりパソコンのレンタル料を購入に変更し30年度に使用予定である。
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