本研究により,比較的涼しいイメージがある郊外(里山)においても暑さ指数の日最高値(日最高WBGT)は市街地と同程度まで上昇することがあり,65歳以上が65歳未満よりも3℃以上も低い日最高WBGTで熱中症が発症する可能性があることが示唆された.これらは,日頃の熱中症予防対策に関して意義ある情報であり,熱中症予防対策に広く利用されている「熱中症に関する予防指針」における温度区分は,高齢者と高齢者以外で異なる基準にする必要があることが示された.さらに,このことから市町村レベルよりも小さいスケールの地域を代表する気温やWBGTデータを作成することの重要性が再確認されたと考える.
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