研究課題/領域番号 |
17K01823
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研究機関 | 女子栄養大学 |
研究代表者 |
平田 裕美 女子栄養大学, 栄養学部, 准教授 (60401585)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 国際理解教育 / 養育行動 / 言語習得 / キャリア教育 / 海外在住家庭 / コミュニティ / インクルーシブ教育 / グローバルアイデンティティ |
研究実績の概要 |
海外に在住する子どもの円滑な心身の成長を促進させる環境整備の必要性から、本年度は英語圏外を主として、アジア圏ではシンガポール日本人学校クレメンティ校(シンガポール共和国)、EU諸国では、ウィーン日本人国際学校(オーストリア)、ローマ日本語補習授業校(イタリア)、リスボン日本語補習授業校(ポルトガル)にて、教職員研修会、保護者講演会、および養育行動、日本語、英語、現地語に関する学習、現地校との交流を主としたインタビュー調査を実施した。サラマンカ宣言(The Salamanca Statement on Principles, Policy and Practice. in Special Needs Education and a Framework for Action,1994)に示されているインクルーシブ教育より、one track方式を採用しているEU諸国の現地校と補習授業校との協働、すべての子どもたちが障がいや第二、第三言語習得などを含む特別なニーズの有無に関係なく、通常学級で学ぶことへの保護者や教員の受容とその理解について検討することができた。 協力校における保護者の子どもへの教育に対する関心度が予想以上に高いこと、また協力校の先生方々の児童生徒、保護者への関わりについての研修に参加する意欲、紹介事例として挙げた内容へのかなり活発な討論の状況より、日ごろから「子どもに目を向ける」姿勢を重視した教育が実施・展開されていることが明らかにされた。さらに前年度までのシンガポール、パース(西豪州)、クライストチャーチ(NZ)、ウェリントン(NZ)にて実施した、養育行動への親のレジリエンス、自尊感情、異文化理解(多様な文化や習慣に関わろうとする志向)による影響(日本語版、英語版)調査(父親638名、母親716名)についての結果を、協力校も通じてネットや紙面にて報告できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年1月までに、シンガポール日本人学校クレメンティ校、ウィーン日本人国際学校(オーストリア)、ローマ日本語補習授業校(イタリア)、リスボン日本語補習授業校(ポルトガル)にて、その熱心な教育力向上への姿勢から、本研究に関するこれまでの研究結果にかなり関心をもっていただいたため、教職員研修会、保護者への講演会が開催できた。申請した計画通りに進展したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
2020年1月までに、海外所在の日本人学校、補習授業校において、アンケート調査、インタビュー調査、教職員、保護者を対象としたセミナー、講演会の日程を組んできた。しかしながら、現在のコロナウイルス拡大の状況を鑑み、これらの調査、講演会が予定通りに実施できるか否かについては、現時点での判断は難しいのではないかと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの影響により、予定していた調査の延期が生じている。 翌年度分として、調査、及び学会発表を行う予定ではあるが、実施の判断は状況を注視し検討したいと考えている。
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