本研究では、海外に在住する子どもの円滑な心身の成長を促進させる環境整備の必要性から、海外在住の日本人父親・母親の養育、居住国の文化・風習、学校教育と親と子どものグローバルアイデンティティについて質問紙調査・半構造化面接調査を実施した。結果、永住/長期滞在する親と子どもによる日本人学校、日本語補習授業校、現地・国際学校の「どの学校に通学するのか」の選択には子どもの状態と言語習得を含む学習への父親と母親の関与、居住国の教育政策に関する情報量が影響していた。さらに日本人/日本人以外の父親・母親の比較調査より、親が考える継承文化・教育と民族性を含むアイデンティティに関わる新たな課題が明らかにされた。
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