| 研究課題/領域番号 |
17K01834
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| 研究機関 | 岡山理科大学 |
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研究代表者 |
汪 達紘 岡山理科大学, 理学部, 教授 (90294404)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 森林散策 / 都市散策 / 酸化バイオマーカー / 抗酸化能 / 唾液アミラーゼ / フィトンチッド |
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| 研究実績の概要 |
H29年6月に新庄村にて20代成人11名及び10月に岡山県立森林公園にて20代成人10名で森林散策を行い、都市散策は、同年9月に岡山駅周辺にて20代成人12名で行った。散策時間は2時間程度であった。唾液及び尿は、散策前、散策次の日、及び1週間後にそれぞれ採取した。本年度では以下の結果が得られた。
①森林・都市散策前後の尿中マロンジアルデヒドは、新庄村、県立森林公園、都市散策とも、散策前に比し散策後 1週間後で有意な変動は見られなかった 。②尿中8-OHdGについても、H29年のみのデータでは、森林散策でも、都市散策でも散策前と比較して散策後及び1週間後で有意な変動は見られなかったが、H27～29年のデータをまとめて解析すると、森林散策では散策前に比し散策後 ( p < 0.1) 及び1週間後 ( p < 0.05) では有意な減少が見られた。③尿中ジチロシンについては、H29年度において新庄村では尿中DTの平均濃度は散策前に比し散策後 ( p ＜ 0.01) 及び1週間後 ( p ＜ 0.1) でそれぞれ有意な減少が見られた。都市散策では散策後及び1週間後で有意な変動は見られなかった。④尿中過酸化水素については、H29年のデータでは、森林散策と都市散策とも散策前に比し散策後及び1週間後で有意な変動は見られなかったが、H27～29年のデータをまとめて解析すると、森林散策では散策前に比し散策後 ( p < 0.1) に有意に減少した。⑤尿中抗酸化能（PAO）については、H29年のみのデータでは、森林散策、都市散策では散策前に比し散策後では有意な変化は見られなかった。⑥唾液アミラーゼについてはH29年度では、都市・森林散策とも散策前に比し、散策後・1週間後において有意な変化は見られなかった。⑦新庄村で採取した大気には、α-ピネン、β-ピネン、3-カレン、p-シメン等が検出された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①本研究は岡山理科大学倫理委員会の承認を得たうえで実施した。被験者に対し本研究の目的、方法及び得られたデータの取り扱いを説明し、全ての被験者から文書によるインフォームドコンセントを得た。
②2時間での森林及び都市での散策も対象者に適している。
③唾液・尿中の各バイオマーカーの測定も当初の予定通り行った。
④散策時に採取した大気中のフィトンチッド濃度には都市と森林との間に後者のほうが濃度が高かったことが分かり、今後さらに採取地を増やし、確認していきたい。
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| 今後の研究の推進方策 |
①対象者数をさらに増やして、前年度の研究を継続する。
②バイオマーカーの項目をさらに追加したい。
③さらに対象者の生活習慣と尿中酸化・抗酸化バイオマーカーとの相関関係を検討する。
④大気試料中のフィトンチッド濃度・種類と尿中酸化・抗酸化バイオマーカーとの相関関係を解析する。
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