• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

Nrf2を標的とした糖尿病に合併する認知症発症予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K01837
研究機関東北大学

研究代表者

宇留野 晃  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (90396474)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード酸化ストレス / アルツハイマー病
研究実績の概要

初年度である平成29年度は、糖尿病の脳における細胞障害マーカーの同定、糖尿病の脳におけるNrf2活性化機構の同定を予定して研究に取り組んだ。
(1) 糖尿病の脳における細胞障害マーカーの同定:過去の報告から、病理学的評価により糖尿病における脳神経細胞障害を捉えるのは困難であることが予想されることから、脳神経細胞障害マーカーの同定を目指した。イメージング質量分析装置を用いた解析により、糖尿病モデルIns2Akita/+マウスの脳におけるの脂質分布を解析した。その結果、Ins2Akita/+マウスの大脳皮質で、野生型と比較して一部のホスファチジルコリンで、含有量の低下を認めた。
(2) 糖尿病の脳におけるNrf2活性化機構:脳におけるNrf2活性化の程度は、他の臓器と比較して弱いと考えられている、このため、Ins2Akita/+マウスと、Keap1遺伝子発現低下に伴うNrf2活性化モデルであるKeap1floxA/-マウスを交配し、Nrf2活性化糖尿病モデルIns2Akita/+::Keap1floxA/-マウスを作出した。Ins2Akita/+::Keap1floxA/-マウスの脳における、代表的なNrf2標的遺伝子であるNqo1 mRNA発現量を調べたところ、対象群であるIns2Akita/+::Keap1floxA/+マウスの脳と比較して、Ins2Akita/+::Keap1floxA/-マウスの脳ではNqo1 mRNAの大幅な発現増加を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Ins2Akita/+マウスの脳におけるイメージング質量分析を行い、大脳皮質における脂質の含有量につてい解析し、糖尿病の脳において変化する脂質を同定した。
また、脳におけるNrf2活性化の程度は、Nrf2活性化糖尿病モデルIns2Akita/+::Keap1floxA/-マウスの脳における、Nrf2活性化は強いことを確認できた。
以上から、当初の研究計画と比較して、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

糖尿病モデルマウスの脳で変化する脂質として、ホスファチジルコリンの一部を同定したものの、その変化は大きものではなかった。このため、アルツハイマー病モデルマウスと糖尿病モデルマウスの複合マウスの脳でさらに大きく変化する代謝物を見出す必要があると考えられた。
また、脳におけるNrf2活性化については、Nrf2活性化糖尿病モデルで特に大きくNrf2標的遺伝子発現が誘導することを確認したが、将来の臨床応用を考えると、Nrf2活性化剤でも同様の傾向が得られるのかを確認する必要があると考えられた。

次年度使用額が生じた理由

次年度は、アルツハイマー病および糖尿病モデルの複合変異マウスの解析を予定したことから、予算規模を大きく確保する必要が生じたため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The novel Nrf2 inducer TFM-735 ameliorates experimental autoimmune encephalomyelitis in mice.2017

    • 著者名/発表者名
      Higashi C, Kawaji A, Tsuda N, Hayashi M, Saito R, Yagishita Y, Suzuki T, Uruno A, Nakamura M, Nakao K, Furusako S, Yamamoto M.
    • 雑誌名

      Eur J Pharmacol.

      巻: 802 ページ: 76-84

    • DOI

      10.1016/j.ejphar.2017.02.044.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High glucose stimulates expression of aldosterone synthase (CYP11B2) and secretion of aldosterone in human adrenal cells.2017

    • 著者名/発表者名
      Shimada H, Kogure N, Noro E, Kudo M, Sugawara K, Sato I, Shimizu K, Kobayashi M, Suzuki D, Parvin R, Saito-Ito T, Uruno A, Saito-Hakoda A, Rainey WE, Ito S, Yokoyama A, Sugawara A.
    • 雑誌名

      FEBS Open Bio.

      巻: 7 ページ: 1410-1421

    • DOI

      doi: 10.1002/2211-5463.12277.

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi