研究課題/領域番号 |
17K01837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用健康科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宇留野 晃 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (90396474)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / Nrf2 / 酸化ストレス / 神経炎症 |
研究成果の概要 |
Nrf2は、酸化ストレスに応答して抗酸化酵素遺伝子の発現を誘導し、炎症系サイトカイン遺伝子の発現を抑制する転写因子である。遺伝子改変によるNrf2活性化モデルマウスとアミロイドβ変異によるアルツハイマー病モデルマウスを交配して、Nrf2活性化アルツハイマー病モデルマウスを作出し解析を行った。質量分析イメージング解析では、アルツハイマー病モデルマウスのNrf2活性化は、脳内還元型グルタチオンを増加させることが明らかとなった。さらに、アルツハイマー病モデルマウスの脳では疾患関連ミクログリアが誘導されていたが、Nrf2活性化はその神経炎症を抑制し、アミロイドプラーク周囲の神経障害を抑制した。
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自由記述の分野 |
生化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国では、高齢者数の増加から認知症の患者数増加が社会問題になっている。転写因子Nrf2は、酸化ストレスや炎症を抑制することが知られる。Nrf2を活性化する作用のある薬剤が臨床治験中であることから、Nrf2は、各種疾患の治療標的分子として期待されている。本研究において、Nrf2活性化アルツハイマー病モデルマウスを作出して解析を行ったところ、脳内で酸化ストレスを低下させる分子であるグルタチオンが増加し、さらに、アルツハイマー病で認められる神経炎症が低下し、認知機能異常が改善した。以上から、Nrf2活性化がアルツハイマー病の治療に有効である可能性が示された。
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