研究課題/領域番号 |
17K01838
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
岡田 恭司 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10185431)
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研究分担者 |
木元 稔 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40759586)
齊藤 明 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90591751)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脂質 / リハビリテーション / マイクロアレイ |
研究実績の概要 |
7週齡の雄C57BL/6Jマウス(日本クレア社)32匹を、それぞれ独立した小ケージで飼育した。実験開始から30週齡まで餌は普通餌、水は同一で自由摂取、自由運動とし、体重、摂餌量を7日間隔で測定した。明暗周期は12 時間とし、明7:00-19:00、暗19:00-7:00 で飼育した。室温も22-24度で一定とした。全マウス32匹とも30週齡まで体重、摂餌量、運動の様子など問題なく経過した。さらに30週の時点で無麻酔下でIPGTT (intraperitoneal glucose tolerance test) を実施し、32匹中28匹(約89%)のマウスでは糖負荷後30分、60分、120分とも耐糖能に異常がなく、残りの4匹(約11%)では糖負荷後120分値で軽度の耐糖能異状が見られることを確認した。現在は全マウスを脂肪分14%含有の高脂肪食(ウエスタン飼料、オリエンタル酵母社製)の自由摂取で肥育している。徐々に体重が増加しつつあり、38週齡の時点で壮年期メタボリック症候群モデルマウスとなる予定である。38週からは運動負荷(小動物用トレッドミル5度傾斜、速度10 m/s 20分間で週3回実施)の有無と、餌の良否(普通餌か高脂肪食か)により、メタボリックック症候群に伴う炎症反応、特に脂肪肝で見られる炎症反応に対しどのような効果があるかを検討するため、①ウエスタン飼料継続で運動なしの群、②ウエスタン飼料継続で運動ありの群、③普通餌に戻し運動なしの群、④普通餌に戻し運動ありの4群に分け、耐糖能や運動能、組織像や遺伝子の変化などを比較検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
29年度当初は29年度に25週齡の、30年度に50週齡の2種類のマウスを高脂肪食で肥育してメタボリック症候群モデルマウスとし、その後にマウスを運動なし群、週1回運動群、週3回運動群の3群に分け、耐糖能、運腓腹筋と肝臓、脂肪組織の組織学的検討とmicroarrayによる遺伝子の解析を行う予定であった。 しかし25週齡は壮年期としてやや若いこと、炎症に対する効果を運動回数の違いで比較するのはすでに結論が得られていること、餌の良否も大きな因子であることから、本検討では餌の良否と運動の有無で4群に分け検討することが妥当と考えられた。比較検討する群数が増えたため、microarrayの費用が約25%増える見込みとなった。そこで29年度はメタボリック症候群モデルマウスを作成して実験器具や試薬等準備し、繰り越金で30年度にmicroarrayによる解析を行うことに変更した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は運動負荷(小動物用トレッドミル5度傾斜、速度10 m/s 20分間で週3回実施)の有無と餌の良否(普通餌か高脂肪食か)がメタボリックック症候群に伴う炎症に対する効果を検討するため、①ウエスタン飼料で運動なしの群、②ウエスタン飼料で運動ありの群、③普通餌で運動なしの群、④普通餌で運動ありの4群に分け、体重とIPGTTの推移と、腓腹筋と肝臓、脂肪の組織学的検討とmicroarrayによる遺伝子解析を行う予定である。Microarray解析の比較検討する群数が変更になり、匹数が25%増えたため、29年度分を一部30年度分に繰越し使用する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度当初は29年度と30年度に別週齡のマウスからメタボリック症候群モデルマウスを作成し、3群に分け運動の回数の違いでメタボリック症候群に伴う炎症がどのように沈静化するのか組織学的検討とmicroarrayによる遺伝子解析を行う予定であった。しかし予定していた週数が壮年期のメタボリックマウスモデルとして適正でないこと、運動回数の違いで抗炎症効果を比較するのはすでに結論が得られていること、餌の良否も重要な因子であることから、本研究では比較する群数を餌の良否と運動の有無により分け、4群で行うことに変更した。4群で比較するため、高額なmicroarray代金が25%ほど予定より増加する。そのため、29年度はマウスの飼育と特殊餌による肥育、実験器具や試薬の準備を行い、一部の繰越金で30年度に増加したmicroarray代金に充てることとした。
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