研究課題/領域番号 |
17K01842
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小池 晃彦 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (90262906)
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研究分担者 |
岩間 信太郎 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 講師 (00733536)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | メタボリック症候群 / サルコペニア / 高果糖食 / インスリン抵抗性 / 有酸素運動 / EPA |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、メタボリック症候群にともなう骨格筋代謝異常が、加齢にともなう骨格筋障害(サルコペニア)の原因となるかを検討することと、有酸素運動とエイコサペンタエン酸(EPA)がその予防手段となるかを明らかにすることである。私たちの研究室では、下肢筋の過負荷モデルを用い、1) 有酸素運動がII型筋(足底筋)の肥大を促進すること、2) EPA投与がI型筋(ヒラメ筋)の肥大を促進すること、を正常マウスで見出し、そのメカニズムを検討中である。この有酸素運動とEPA投与の効果をメタボリック症候群モデルで検討するために、平成29年度はメタボリック症候群のモデルとされる高果糖食負荷マウスの骨格筋障害について検討した。しかしながら、初年度に計画した高果糖食負荷(4週と10週)後の下肢筋過負荷実験では、筋肥大レベルは正常マウスと変わりなかった。また、16週の高果糖食負荷後の体組成を測定したが、筋量、内臓脂肪量とも、対照マウスと差がなかった。本結果は、私たちの予想と異なるものであった。これまで私たちは、高果糖食負荷ラットにおいて内臓脂肪量の増加やインスリン抵抗性の亢進を報告してきたが、今回の実験では、対照群と比較し内臓脂肪の増加がなくメタボリック症候群のモデルとしては不適切であった可能性がある。以前の実験と比較し、餌に含まれる脂肪量の違いが原因のひとつであったと考えている。平成30年度は、果糖の投与方法を、(餌ではなく)飲水に変更すること、脂肪の餌への追加などを試み、モデルを再検討した上で、有酸素運動とEPAによる予防効果を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度に計画し実施した、高果糖食負荷マウスモデルが、予想と異なり、本来の特徴である内臓脂肪の増加などの特徴に乏しく、メタボリック症候群モデルとしては不適切な可能性がある。また、高果糖食負荷では、骨格筋の量や筋肥大能への影響が明らかでなかった。したがって、モデルを再検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
餌による高果糖食負荷と液体による負荷ではその影響に違いがある可能性がある。また、果糖のみにこだわらず、ショ糖や脂肪の負荷を試し、メタボリック症候群マウスとして適切なモデルを再検討し、当初の本研究の目的を果たして行く。
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